What's New
 
Text Archive

2001.5.3
札幌の夜


大学卒業後も札幌でライブ・芝居等を続けている私ですが、実は実家が札幌市内にあるわけではないので、市内に勤務していた1996〜97年の2年間を除くと、この10年間札幌市内に拠点がありません。
普通の生活をしているならともかく、音楽や演劇などの「夜型」の活動を行うにはこれは大きな問題です。

飲んでいなければ車で実家まで帰りますが、私の場合それは実態上あり得ないので、結局サウナやカプセルホテル行きということになります。ここ10年間、ずっとそうなのです。
よく行くのはすすきのの「サウナ北欧」。
すすきのという場所と「北欧」というネーミングが何か別の業態の店舗を想起させますが異なりますので、誤解のないようお願い致します。

昨日も飲んだ後すすきのに行き、午前4時くらいにチェックインしました。勿論チェックインというほど格好良いものではありません。
サウナやカプセルホテルといった施設は利用した事のない方にはどんな感じなのか想像できないと思うのですが、混んでいる時の様子はもう大変です。

仮眠室のスペースに入りきらないオッサン達が廊下でゴロゴロと寝ており、全員酔っているのでいびきも凄く、さしずめ動物園。
ロッカーと壁の間とかイスの下など思いもよらない場所にいる場合もあることを考えると、サファリパークと言って良いかも知れません。

結構好きなのが翌日の朝。
朝のすすきのは人通りも少なく、朝のタイム・サービス中という一部の特殊な店以外はシーンとしており、カラスの声が目立つくらいです。
私はいつも通り、サウナの前の薬屋で買ったソルマックSを弱った体に投与した後、南6西4のローソンで"飲むヨーグルト"を購入し、胃壁をいたわりました。

「今頃胃壁をいたわってもしょうがないのになあ」 と、これまた毎度のように思っていたことも思い出しました。




2001.5.8
人面昆虫


さて帰省の間、私は北海道新聞の片隅に表記の注目すべき記事を発見しました。人面昆虫?!
道東のとあるテーマパークで開催された「世界の昆虫展」のような催しに関する記事ですが、「人面昆虫」とは穏やかではありません。

場合によっては人類を震撼させるような生命体の存在かと思って読んだら、正体はカメムシでした。
「カメムシ」という響き自体が持つB級感が、「人面昆虫」というタイトルが醸し出していた緊張感を台無しにしています。
しかしそれ以上に、その「人面」と表現されたカメムシの写真に私は大変な衝撃を受けました。

あの衝撃を言葉で正確に伝えるのは相当困難ですが、早い話、カメムシの羽全体にオヤジの顔のような絵が描かれているのです。
いや、実際は描かれているはずはなく、このカメムシの生まれ持った姿なのですが、どう見ても誰かに(さらに言うなら「悪意をもって」)描かれたとしか思えない紋様なのです。

気がつくと私はハサミでその記事を切り取っていました。
このカメムシの存在を是非皆さんにもお知らせしなくては!

ところが!
私は東京に戻る際、この写真の切り抜きを実家に忘れてくるという痛恨のエラーを犯してしまいました。
これは残念・・・。

しかしこの場でそのカメムシの姿を紹介できないという歯がゆさもさることながら、実家ではそのうち両親が床に落ちている不審なカメムシの切り抜きを発見してしまうことでしょう。
36歳にもなってこんなものを切り抜いている事実を親に知られるのも、結構恥ずかしいものがあります。




2001.5.16
いま売れているモノ大事典


これは今月の日経トレンディの特集です。

"VAIO"、"スターバックス"、"生茶"、"冷凍食品"・・・。"おまけ付きお菓子"や"80年代テイストのもの"といったのもあります。なるほど、なるほど。
思いも寄らないものも結構あって流行というのも面白いものですね。

さらに"癒し系"、"市原悦子"、"デジカメ"、"ルイ・ヴィト・・・
え、市原悦子!?

何となく斜め読みしていた私も、さすがにそのページに戻りました。
市原悦子さんって、そもそも「流行ってる」とか「流行っていない」とかいう対象なのでしょうか。
現在流行している商品をそれなりに思い浮かべつつこの特集を読んでいたのですが、さすがに市原悦子さんはノーマークでした。

で、すごいんですって、市原悦子さん。視聴率の安定感が。見出しからして
 ・なぜか抜群の視聴率ゲッター
 ・主婦が感情移入、時代が望むキャラ
です。
「時代が望むキャラ」とまで言うか?というのはありますが、誌面では続いていくつかのキーワードとその効果についての解説が示されており、これがまたツボに入ります。
 1.ミステリアス⇒視聴者に飽きられない
 2.かわいいおばさん⇒主婦に親近感を持たれやすい
 3.絶妙な台詞回し⇒美声に魅せられるファン多し
 4.説教をする⇒社会がご意見番を求めている
1〜3まででもツッコミたいことが山ほどありますが、4とまで言われた日には、「何もそこまで無理に世相とリンクさせなくても・・・」と、こちらも戦意を失います。

ただ、詳しく読むとこれもなかなか面白くて、「『家政婦は見た』では市原が説教をするのがお約束」とまず記しつつ、
一方で「おせっかいおばさん」に不快感を抱く視聴者も多い。
そのため「家政婦は見た」の最後で必ず市原にしっぺ返しが用意されている。
とのこと。

この、深いとも浅いともつかぬ視聴者に対する配慮と、それを無理矢理論理的に解説する日経トレンディ、双方素晴らしいと思いました。




2001.5.24
イクラの攻撃


いつもの事ながら今日も朝から何かとバタバタ忙しく、ようやく午後2時過ぎに昼食をとる時間を確保した私。
某所に行きましたらいろいろと魅力的なランチメニューが並んでおり、中でも海鮮丼が一撃で私のハートをとらえました。
「海鮮丼ください!」

しばし待った後、海鮮丼が運ばれてきました。多少ぜいたくな感じですが、こういう昼食もたまには良いものだと嬉しくなって食べようとした時、箸の先が丼の上のイクラのひと粒に当たりました。
その瞬間!

そのイクラからチューッと内部の液体が私に向かって放出されて来たのです。
本当に触れただけなのに、勢い・飛距離ともに十分で、私は全くその攻撃をかわすことができませんでした。

おかげで私のワイシャツの左側大部分がイクラ汁だらけ。なるべく目立たないように汚れ部を折りたたみ、地下の売店のおばちゃんに安全ピンを2本もらって一応取り繕いましたが、恐ろしい出来事もあるものです。

こうしてイクラにやられた私は、ふと、以前醤油にやられた時のことを思い出しました。
その日コンビニでお弁当を買った私は、まずおかずにお醤油をかけようと、中の魚型醤油差しのふたを開け、ギューッとプレスしたのですが、一向におかずに醤油がかかっている気配がありません。

不審に思ってよくよく見ると、醤油差しのふたの具合がおかしくなっていて醤油がうまく出てこないばかりか、代わりに極小の穴が開いており、そこから肉眼では見えないくらい極細の放出線で醤油が私自身に向かって飛んでいたのです!
全貌を知った時には既に私の服は醤油だらけになっていました。

さて、この2つの事件に共通することは、シャツが汚れたという事実以上に「怒りのぶつけようがどこにもない」ことに尽きましょう。
コンビニの件に至っては、醤油を入れるおさかなの容器に怒りをぶつけるしかないのです。

コンビニの件以降、醤油をかける時も決して気を抜かないようにしていたつもりですが、世の中にはまだまだ油断ならない事があるものと、改めて気を引き締めた私です。




2001.5.26
Japan Blues Carnival


今日は日比谷の野音でブルース・カーニバルがある日です。16回目。

今年の出演者は上田正樹、エリック・サーディナス、ヒューバート・サムリン、そしてそしてオーティス・ラッシュ!!
場所は何しろ職場の隣なので、出勤時と大した変わり映えもなく定期で移動し、日比谷駅で降ります。
すると駅の出口でもうダフ屋が出ているではありませんか。

これは驚きました。
確かに出演者はオーティス・ラッシュを始めビッグ・ネームばかりではありますが、ブルースがダフ屋の商売の対象になるなんて一昔前なら考えられなかったことでしょう。素晴らしいことです。
もとより私はダフ屋愛用派で、Jリーグや日本代表の試合の時も大抵ダフ屋。
もうちょっと先に行けばさらに安いダフ屋さんがいるかもしれませんが、まあ手っ取り早くここで購入してしまいましょう。

「あるよ、あるよ」

ダフ屋さん独特のスタイルで、主語を言わずに「ある」という事実のみを独り言のように続けています。
私は1人のダフ屋さんの方に近付いて行きました。
この辺は目が合えば、求める側・売る側とも阿吽の呼吸でお互いを理解しますので、すぐさま少々人目の付かない所まで場所を移動します。

「今なら1階席あるよ。」

・・・1階席?野音には確か1階も2階もないはず。
不安になってチケットを見ると、どうもそこには「日生劇場」と書いてあります。一瞬の間の後、私は事態を完全に理解しました。
そう、私はもう少しで日比谷公園隣の日生劇場で、モーニング娘のミュージカル「LOVEセンチュリー」を観劇してしまうところだったのです。
いやホントに危ないところでした。

それにしても面白かったー(「ブルース・カーニバルが」です。念のため)。
モーニング娘も間違って入ったら入ったできっと楽しかったとは思いますが、やはりオーティス・ラッシュは格別でした。




2001.5.30
橋本桜


5月30日(水)午前4時31分。私と妻・利江さんの間に第一子が産まれました。

女の子です。
名前は漢字一文字で「桜」と付けました。

漠然とは昔から、そして東京で暮らすようになった辺りからかなり明確に、女の子が産まれたら「桜」と名付けようと思うようになりました。
毎年春になると2人で色々な場所に桜を見に行ったものですが、今年の春からはこの子もお腹の中で参加しており、桜の下でお弁当を食べながら、「やはりこの子は桜にしよう」と改めて思ったものです。

この桜さん、予定日を過ぎても一向に出てくる気配がなく、直前の検診でも体重も測れないくらい大暴れしていたようですが、昨日の昼頃から何やら急に出てくる気になったようで、私も慌てて羽田から飛行機に乗りました。

札幌市立病院の「陣痛室」なる部屋で、何をしてあげられるでもなくただ見守りつつ、いつも間にか日付も変わり、夜も明けて朝の4時半。
難産でしたが、10ヶ月間待っていた甲斐がありました。

どんな風に大きくなっていくのでしょう。明るい子に育ってくれると良いのですが。
色々とお気遣いいただいた沢山の方々、本当にありがとうございます。