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2002.4.1
JR琴似駅横倉庫のこと


北海道札幌市西区に琴似(ことに)という場所があります。

JRと地下鉄の琴似駅があり、商店街、飲処、喰処、風俗等が適度に集積しています。札幌市内繁華街勢力図で言うと、 中央にすすきのが鎮座し、北区に北24条界隈、西区に琴似界隈という感じ。
JR琴似駅周辺は、デパートが並び、高架下にはミスター・ドーナツやお洒落な喫茶店やパン屋さんなどもあって、拠点にふさわしい明るい賑わいを見せています。

そのJR琴似駅横のレンガ造りの喫茶店の背後に、古い石造りの倉庫が、まさしく穴場的に建っています。
劇団の拠点を探してこの倉庫の存在を知ったのは1998年。
以来、芝居やLiveハシモトコウ・アワーなどを、ずっとこの倉庫でやってきました。

その倉庫が、この地区の再開発計画によって、今夏限りで取り壊されることとなりました。

この約15年の間、いち劇団の拠点から、「コンカリーニョ」という名の小劇場・フリースペースへと空間の性格も変遷しており、今回の取り壊しに対しても、多くの方の様々な思いがこの倉庫に向けられています。

存続を目指す声、残る一部の建物で活動を続けようという声、新たにこの場所に建てられる建物の中にスペースを確保しようという声、琴似界隈の他の場所に活動を移そうという声。
今年に入り、関わりのある人間が集まって委員会を作り、上のような様々な声を集約しつつ、方向性を模索しています。
私自身遠くに居ながらも、この委員会の1人として、いろいろと考えを巡らせているところです。




2002.4.7
お魚天国とカルビくん


2月、「メジャーレーベルから発売決定」とのニュースに私も思わず反応した「お魚天国」ですが、やはり順調に売り上げを伸ばしているようです。
何より嬉しいのは、原盤の超チープな写真がジャケットとしてそのまま使用されていること。
イラストに差し替えられると聞いて残念に思っていましたが、正しい判断がなされたのですね。

一方お魚の絶好調さとは裏腹に、牛・豚・鳥と3拍子揃って絶不調なお肉業界。(この場合、「お魚」に平仄を合わせて「お肉」と呼ぶのが適切です。)
このお肉業界が、お魚ソングブームに影響され、「Go!Go!カルビくん」という絵本を発売しました。今月下旬にはCDも発売されるとのこと。

この手の2番煎じに対しては、大抵世間の厳しい目が向けられるもので、右の表紙を見ても 「お魚天国」の安上がりな魅力とは比べようもありません。
私自身もシビアに関連情報をチェックしているのですが、「絵本」という地味なツールが案外気をひく上に、
 ・GO!GO!カルビくんの必殺技は「カルビーム」
 ・他人のお肉を食べてしまう「ペロリスト」と戦う
といった低次元な感じが案外ストライクゾーンの外角低めあたりに入ってきて、不覚です。

目下の国際社会の敵であるテロリストをもじってペロリストとはいくら何でもないだろうと呆れつつも、他人のお肉を食べてしまうという行為はその「許せなさ」という点においてテロリストに近いと言えないこともないな、などと妙に感心もしたりして、なかなか「Go!Go!カルビくん」を一刀両断にできない私です。




2002.4.13
三菱ミニカの想い出


私の父は中学校の教師だったのですが、教育委員会の配慮不足なのか、中学時代の3年間、父と全く同じ中学校に通っていました。
更に言えば、中3の時は弟が中1で入ってきましたので、朝食を食べた直後から夜までの間、母を除く家族全員が同じ中学校で生活していました。

我が家には当時自動車がありませんでした。
70年代後半という時代にあって、かなりレアと思われるプアな資産状況。
実際に貧しかったのかどうかは未だに分かりませんが、ともかく車は無かったのです。
しかし中学時代のある日、ついに我が家にも、「マイカー」が導入される日が到来し、超中古の軽自動車・三菱ミニカがやって来ました。

乗車して乗り心地を確かめるまでもなく、一見して期待外れと分かる外見。
墓場へ行く途中に間違って地球に来てしまったウルトラ怪獣・シーボーズを思い起こさせるくたびれ方です。

何より凄まじかったのがその走行音で、1km先にいても近付いてきていることが分かります。。
プカプカプカ・・・という音。何の音なのかは不明ですが、間違いなくどこか故障していたのだと思います。

徒歩で生徒が登校する中、毎朝後方から"プカプカプカ・・・ と徐々に近付き、ドップラー効果と共に追い抜いていく父。
後年は、毎日乗っているにもかかわらず助手席に蜘蛛が巣を作って住んでたりして、この滑稽なミニカとそれを操る父は、身内の私からみても学校の人気を集めていました。

家族4人で札幌へ遊びに行くにも、乗り心地が悪い上、車内での会話がほぼ不可能な爆音を伴うこの車で遠出をすることは、少なからず家族にとって決断です。
案の定、夏のある日、家族で出かけて最初の(決して急峻でない)坂 「島松沢」を登り切れずに、このミニカは止まってしまいました。
恐るべき低パワーです。

こっちも子供なので、楽しみにしていた札幌行きが突然無くなってしまえば当然腹が立ったり悲しかったりする訳ですが、この時ばかりは動かなくなった車をどうするかとか、一体どうやって家に帰るかと言った議論が急がれたため、あまり取り乱すこともなかったような記憶があります。

翌日以降、登校時にあのプカプカプカ・・・という音は聞こえなくなり、寂しい気持ちになりました。




2002.4.19
東京タワーが青くなる

 東京タワーが青くなる−。そんな仰天プランが15日、明らかになった。
これは先日のとある新聞の記事ですが、「仰天プラン」という日常使わない表現によって、これが一般紙ではなくスポーツ紙であることが分かりますね。

記事の内容は、W杯で日本代表を応援するため5月25日から夜間のライトアップを代表のユニホームの色と同じブルーにする、というもの。
大阪では24日から、道頓堀のグリコネオンが代表のユニホームに着替える。
ネオンが設置されて以来67年間、常にランニングシャツを着ていたが、アディダスの協力を得て初めてサッカーのユニホームにそでを通す。
これはすごい企画!そして掲載されていたのが右の完成予想図です。
しかしこれではほとんど変質者ではないでしょうか。
こんな人がこちらに向かって走ってきたらこちらも冷静ではいられないでしょう。

そもそも「67年間、常にランニングを着ていた」という記述は 「67年間、ランニングしか着ていなかった」という表現の方が正確ではないかという気がします。
ただ、67年間ランニングだった人がいきなり梅雨の時期にこれを着るというのは、さぞかし暑かろうと想像されますね。




2002.4.21
通販


私は今、昨日の新聞に折り込まれていた通販の広告に釘付けです。
 「人気商品・話題商品を激安価格でご奉仕」
と高らかに題された色刷り両面広告には謎の商品が満載で、定番のダイエット用品から「魔女ドレミちゃんスーツ」といった 本格的に意味不明なコスプレものまで、多彩です。

商品はその全てが皆、一見して低品質と判る写真映りになっているにもかかわらず、これまた全てに「高級○○」という堂々たるコピーが付されていて それだけでも十分楽しめます。
しかし何よりおかしいのがそれらが全て、あまりと言えばあまりな低価格で「奉仕」されている点。

どういうわけか楽器類が充実していますので、それを例にとってみますと、
 ・全長130cm ケース付 高級チェロ 9,980円
 ・教本付 全長60cm 高級バイオリン 4,980円
 ・高級手作り 音色鮮やか 懐かしい! 高級クラシックギター 2,980円
私もいろいろと楽器を見てきましたが、チェロが9980円で売られているのを見たのは初めてです。
これはもはや "デフレ・スパイラル"どころではなく、"デフレの電気ドリル"と呼んで良いでしょう。

また私の周囲には少なからず「高級」なギターを持っている人間がおりますが、さすがに2000円台で入手したという話は聞いたことがありません。
だいたいそのコピーも、「高級手作り 音色鮮やか」までは良いとしても、「懐かしい!」というのはあんまり商品と関係がありませんね。


1品1品があまりに可笑しくて、目を通しながら徐々に衰弱していく私にとどめを刺したのが右の商品です。
 高級パール・ネックレス 5点セット 2,980円
5点で2,980円のものを、「高級パール」と言い切る捨て身の迫力!


しかしこの高級パールネックレス(5点セット)。個人使用に耐えるかどうかはともかくとして、会社の忘年会の賞品や、 福袋の中に数合わせで1品、 さらに夫婦/家庭内の記念日モノを万が一失念した時の緊急用ストックとしてなど、意外と多くの局面でツブしの効く一品と言えるのではないでしょうか。
皆様も是非購入をご検討下さい。