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2003.7.7
スポーツ吹矢


ニュースを見ていたら、「スポーツ吹矢 全国大会」の映像が。
「スポーツ吹矢」というだけで十分意味不明なのに、その「全国大会」だというのですから、気になるなという方が無理なイベントと言えましょう。

でその模様ですが、まずおよそ「全国大会」のイメージとは程遠い、どこぞの町内会館のような場所が映っています。
壁にダーツの的のようなのが並んでおり、その上に模造紙をつなぎ足したような紙に手書きで「スポーツ吹矢全国大会」と書かれたものが貼ってあるという、チープさを極めた雰囲気。

そして競技者ですが、これがどういうわけかほぼ全員が「超」の付くほど高齢の方々なのです。
何が彼らを吹矢に駆り立てたのかは分かりません。
しかし老人なのに、なぜか皆、眼光が鋭いのが気になります。
で、シュッとか吹いてる映像が流れ、「大会参加者は次々と矢を的に命中させていました。」というナレーションが。

ニュースの最後、この謎の話題に何とか意味を持たせようとするように、「吹矢は腹式呼吸で吹くため、健康にも良いとのことです。」というナレーションが読まれましたが、カメラがスタジオに戻され「最後にお天気です。」と言っているアナウンサーの顔が、明らかに笑いをこらえていたのを私は見逃していません。




2003.7.14
のらくろ


古本屋さんで「のらくろ伍長」を購入しました。

御承知のとおりのらくろは、のらくろ上等兵、のらくろ伍長、のらくろ軍曹・・・と、のらくろの軍隊での活躍を描いた漫画です。
ほのぼのとしたイメージがあるのらくろですが、どちらかと言うとそれは戦後に庶民(庶犬)的にリメイクされたイメージで、原作では豚の軍隊との戦争で大勝利したりしながら軍の中で出世していくのです。

小学校時代に友達の家にこの復刻版があり、借りて読んでいたのですが、古くさーい絵や色のタッチや、「○○でせう。」などの戦前の日本語の言い回しが単純に面白くて、興味深く読んでいました。

初めての遠足の時、母に買ってもらった水筒ものらくろの絵のついたヤツで、それはもう大事にしたものです。
ただ兄弟を何人も戦争で亡くしている母は、のらくろに対しても複雑な感情を持っていて、できれば水筒ものらくろ以外のものを買ってあげたそうにしていたことが、今でも記憶に残っています。

古本屋にあったのらくろの中に、あの手塚治虫さんが前書きを書いている一冊がありました。
その前書きは、戦前の独特のムードの中、徐々に戦争漫画としてのカラーが色濃くなっていった事実について避けずに触れているもので、非常に印象に残りました。

(のらくろは、もともと庶民の日常を描いた漫画だったという趣旨の記述の後)
それが「侵略戦争入門」となった時、本来のテーマは歪曲され、破綻し、主人公は挫折する。
この変化は作者にとっても不本意だったことだろう。

細かな表現はともかく、こんな感じです。
これを読んでいるうちに、私はあの水筒のことを思い出しました。
あの時、無理にのらくろの水筒にしなければ良かったなーという、母に対する何となく申し訳ない気持ちがずっと消えずに残っているのでした。




2003.7.21
草津


休日に、草津温泉に行って来ました。

草津というと、長くて平べったい板を持った人が何やら隊列をなしてお湯をかき混ぜている図がすぐ浮かびますが、教養に欠ける私はその詳細な意味を理解していませんので、そのあたりも今回の学習のポイントです。
そして現地で入手した「草津名物 『湯もみと踊り』」なる資料によれば、その意味・目的は概ね以下のとおりです。

草津の源泉は、60℃から、熱いところでは92℃もあるため、そのまま入浴することはとてもできません。
そこで熱い源泉の中に六尺板を入れて湯をもみ、入浴できるように一定の温度に下げる「湯もみ」が考え出されたのです。

なるほど。。皆さん、御存知でした?
さらに私は、続く「時間湯」なる入浴法の説明にも関心を奪われました。

しかし温度をあまり下げすぎても効果がありません。
そのため48℃くらいまで下がったところで集団的に入浴する方法が「時間湯」として生まれました。
普通、入浴温度は42℃くらいですが、この「時間湯」では48℃とかなり熱いため、個々ばらばらに入ったのでは刺激が強すぎるので、誰かが号令し一斉に入り、時間を3分間に限って入浴するのが「時間湯」です。

・・・これはどうなんでしょう・・・。
まず直感的に、今は亡き「TVジョッキー」の「熱湯コマーシャル」が頭に浮かびました。

そもそも集団なら48℃にも耐え得ると考えるその発想が、理解不能ですね。
「皆で力を合わせれば」という精神世界を否定する気は毛頭ありませんが、何人と一緒だとしても、熱湯に入れるようには決してならないように思います。

資料ではさらにこの「時間湯」を取り仕切るリーダーの存在についても触れています。
入浴の時、号令をする人を湯長と呼ぶようになりました。湯長は時間湯の管理者で入浴の指導者でもあります。
また、時には人情話のひとつやふたつも聞いてやることもあり、入浴者達から尊敬されていました。
「時間湯の管理」「入浴の指導」。どちらも具体的に何をするか全く分かりませんし、「人情話で」入浴者達から尊敬されていたというのもすごいですね。
読むほどに私は草津の湯の虜になっていくのでした。




2003.7.24
39.10.15頃


職場には、昼休みになると生命保険会社の営業の方々がたくさんです。
氏名や生年月日、家族構成などをリサーチしては、保険のプランから自分の性格に至るまで丁寧に分析してくれて、ホントに全くありがとうという感じですが、今日は三井生命の方が 「エンジョイプラン」なる資料を置いていきました。

内容は 「あなたの7月のバイオリズム」、「血液型と占星術で知るあなた」、そして「あなたがお生まれになった日は・・・」という3つ。

どう考えでも保険の契約とは直接関係がなさそうですが、要は営業トークの切り口として機能すれば十分ということなのでしょう。
ただ私の場合、以前も「生まれた日の新聞」で書いたとおり こうした類にものにめっぽう弱いため、地味に結構目を通しています。

えー、なになに。「あなたがお生まれになった昭和39年10月頃」は・・・

第18回オリンピック東京大会が開催されました。
そうです。10月10日。体育の日になった日です。

東海道新幹線が営業開始。東京〜新大阪間が4時間となりました。
そうですとも。何しろ、自分の幼少時の肉声として唯一残っているのは「青いひかりの超特急〜」と歌っている歌なのです。
さすがにしっかりした取材に基づいていますね。
しかし最後に、
"シェー"が流行語になりました。
という、かなり異質な史実の記載が。
これは記載する必要があるのでしょうか。

そもそも"シェー"と言われても一体何のことか分からないという方もいらっしゃるかと思いますので、この機会にその概要を述べておきましょう。

右の方はイヤミ氏。赤塚不二夫さんの漫画「おそ松くん」に登場したキャラクターです。
既に120%怪しい笑顔ですが、フランス帰りで、自分のことを「ミー」と言い、語尾は常に「ざんす」を付け、名前がダメ押し的に「イヤミ」ですから、赤塚さんの「キャラクター設定センス」はやはり群を抜いていますね。
少なくともこのイヤミさんが、フランス人(もしくはフランス帰りの人)のイメージを大きく損ねたことは間違いありません。

ところで、確か私が高校か大学時代だったと思うのですが、札幌の地下鉄構内に、このイヤミ氏の顔と"シエー"という文字だけが入った市営交通のどでかいポスターが貼り出されたことがあり、あの時はほんとーに衝撃を受けました。
「シエー」と書いてある以外、市営交通に関する情報が何もない極端なイメージ戦略。
私は札幌市交通局の歴史上最大のヒット作品だと、今も評価しています。