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2005.1.1


今年は帰省もせず、初めて東京で新年を迎えました。
生まれてこのかた、北海道以外で年を越したのは家族全員はじめてです。

ところが、そんな不慣れな私どもを気遣うかのように、東京では21年振りの大晦日の積雪。
おかげで恐ろしいほど違和感がありません。というより、下手に北海道にいるよりよほど過酷な吹雪でした。
桜も生まれてはじめての雪だるまを、よもや東京で作ることになるとは思っていませんでした。

最後の東京暮らしとなる可能性もそれなりに高い2005年。
最も短い場合を想定するとあと3ヶ月です。悔いなく過ごしてまいりましょう。




2005.1.10
火星人


ちょうど1年前に当アワーに御登場いただいた火星人ですが、どうやら大変な事をしでかしているようです。
いや大変な事と言っても悪いことをしているわけではなく、実に良いこと。宇宙のためになることです。

先日の読売新聞によると、こうです。
2004年1月に火星に着陸したNASAの無人探査車オポチュニティーが最近"洗車"され、砂塵による太陽電池の電力低下から回復していることが明らかになった。 原因は不明。
そして記事の見出しが
 火星人?
です。
すなわち、オポチュニティは火星人によって洗車され、機能回復が図られたという 驚くべき事実を伝えているのです。

惜しまれるのは 見出しに「?」が付されたことで、思い切って「火星人!」で勝負して欲しかったという感もありますが、これも火星人の存在に疑問を呈しているというよりは、ちょっとした照れのようなものだと理解しましょう。
洗車現場の状況を思い浮かべますと、何しろこの手足の本数ですからポリッシュとスポンジだけでも3〜4対までなら楽に同時作業可能で、相当な高効率と想像されます。

1年前は、「微妙なのがこの表情で、笑ってるのか機嫌が悪いのかよく分かりません。」などと失礼なことを書いてしまった私ですが、洗車の労をとってくれた上に、自らはそれを明かすことなくその場を立ち去った彼ら。
私の火星人に対するシンパシーはいま、マックスに高まっています。




2005.1.14
今!サンバ


深夜の残業中、職場のエックス団の団長・丹羽氏が私の席に来て、非常に有益な情報が集積しているHPがあるので参考にして勉強するようにとの指示がありました。
「分かりました」と答えて指示されたURLにアクセスしたところ、私のパソコン画面全体に突然松平健氏の画像が拡がった上に、「マツケンサンバU」が大音量で流れ出しました。

過度な緊張感に満ち満ちた職場の中で、場違いにもほどがあるサウンド。
 「この人の指示だけは迂闊に聞いてはならない・・・」
と、私は思いを新たにしました。

それにしても昨年からのマツケンサンバブームは驚くべき状態ですね。
今日は丹羽団長から、他課の某上司がマツケンサンバのダンスを練習中であるという怪情報も聞かされ、「あの知的で聡明な方が・・・」と一層余計な動揺を植え付けられました。

さて、いつも通り仕事は深夜に及び、深夜に帰宅する私達。
帰路、長女・桜(3歳)の日常を良く知る副団長・森戸氏から「こんな時間でも桜は起きてるの?」と問われたので、「もう1時半過ぎですから、さすがにそれはないですよ。」と答えて帰宅しましたら、驚いたことに桜が汗だくで「マツケンサンバU」の踊りを練習している真っ最中でした。

ブロックを組み合わせて鳴子のようなものを2つ作り、両手に持って振りながら、本日習得したと思われる流し目をガンガン私に送っています。
そろそろ幼稚園なので、ちゃんとした勉強をさせたいのですが、こんなんで大丈夫なんでしょうか。

しかし、そんな親の不安をよそに
 「サンバ、いま、サンバ」
と歌い、踊り続けている桜。

正確には「ビバ!サンバ」なのですが、あたかも時代のうねりでも背景にしているかのような「今!サンバ」というフレーズ。
「来年から幼稚園だしそろそろ勉強させなければ」という親のもくろみを事前に察知し、今を面白おかしく生きることを主張しているようにも聞こえ、マツケンサンバの精神と桜の主張の融合を大いに警戒した私です。




2005.1.22
お年玉


今年も"お年玉付き年賀状はがき"の当選番号が発表されていました。
この年賀状の"お年玉付きシステム"って、実にアナログで今となっては続いていること自体が不思議なくらい地味な存在ですが、かつては「年始の集大成的行事」とも言える花形行事です。

今と違って固定的に成人の日だった1月15日、抽選会場には意味不明に大勢の人が晴れ着で駆け付け、勿論テレビ中継アリ。
ダラララララ・・・というドラムサウンド&むやみに動き回るスポットライトという古典的2大手法により会場の一体感がピークに達した瞬間、グルグル回ってる数字付き円盤に放たれる矢!
アナウンサーの方の、
 「まず最初の一桁は・・・5!」
とか言う声に、「オー」とか「ウーン」と一喜一憂するオーディエンス。
最初の一桁で夢ついえるということは、確率論的には年賀状が数枚しか来なかった人ということになりますが、何にせよ盛り上がることができる感性というのは大事ですね。


ちなみにモノの本によれば、初年度=昭和24年の賞品は、
 特等:ミシン  1等:純毛洋服地。
味わい深いですね。
しかもよく見ると1等は"洋服"じゃなくて"洋服地"ですから、両方当たった日には早速ミシンで洋服作りというわけです。

続いて、
 2等:学童用グローブ  3等:学童用コウモリ傘。
なりたい職業のNo1がプロ野球選手の時代ですから学童用グローブなんて当たったらさぞかし嬉しかっただろうなあと、昨晩からひどい風邪で情緒不安定ということもあって、訳もなく目頭が熱くなってきました。
ただ"学童用"と限定されているのはいまいち不可解であり、既に"学童"の時期を過ぎた方でしたら悔しくて仕方がなかっただろうと、今度はやり場のない怒りが込み上げてきました。

ちなみにコウモリ傘なんて今の切手シートと同じ程度の扱いなのかと思いましたら、さらにその下に4等、5等があって、6等でようやく切手シート。
すなわち学童用コウモリ傘だって侮れない魅力満点だったということなのです。
勿論これも"学童用"に限定されている理由は不明です。

*

ところで私は中学生の時、このお年玉付き年賀はがきで2等に当選するという、橋本幸史に残る幸運を経験しています。
賞品は腕時計。
番号を何度も確認し、当選と分かった時の嬉しかったことと言ったら、もう殆ど半狂乱と言って良いでしょう。
嬉しいのは分かるとしてもそれで息子が半狂乱になってしまったら、橋本家にとっては不幸ですね。

ともかく大事に葉書をもって郵便局に行きましたが、北海道恵庭市の小さな郵便局ですから、瞬時に賞品と交換できるはずもありません。
「取り寄せますから楽しみに待っててね」と言われ、数日後、再び郵便局へ行った私。

郵便局の方々はみんな中から出てきて「せっかくだから開けてみようよ」なんて言ってます。
私も嬉しくて「そうですね」などと言いながらガサガサと包みを開けると!中からシチズンのカッコいい腕時計が出てきたのでした。

今思えばこうした郵便局でのやりとりも含めて昔っぽいなーと感じます。
"お年玉つき年賀はがき"は、こうした期待や楽しみも一緒に配っていたのですね。




2005.1.29
玉石混淆!シングル盤


この休日、私が愛してやまぬ戦後歌謡の世界=シングル・レコードの整理整頓を決行しました。

今まで何度となくチャレンジし、そのたびに全く成果なく終わってきた理由は自分でも分かっています。
それは、レコード・プレイヤーのそばで作業してしまうから。

場合によっては手に取った1枚目からついターンテーブルに乗せてしまい、興奮して次々聞き続けているうちに泥酔して寝てしまうという過ちを、過去幾度繰り返したか分かりません。
従って本日は、大いなる決意とともに、プレイヤーから隔離された1室にレコードごと移動し、作業を開始したのです。

*

さて、まずは全レコードを、機械的に、五十音順に並べて整頓することから始めましょう。

青江三奈− アグネス・チャン− 麻丘めぐみ−
小学校低学年の男子にとって、アグネス・チャンさんと麻丘めぐみさんは、もう、考えると眠れなくなるくらいのアイドルです。
一方、仮に小学校低学年で青江三奈さんのことを思って眠れないようなら、それはそれで危険なほど渋いですね。

引き続き、2ch=レコードレビュー・コーナーの「スターのウィスパーカード」の記事>>でおなじみの天地真理さんの姿なども見えます。


2ch=レコードレビュー・コーナーと言えば、その初回を飾った平尾昌晃さんの「星は何でも知っている」!
カッコ良さとエッチさが交錯して魅力満点です。

その平尾さんが熟年期にリリースした畑中葉子さんとのデュエット「カナダからの手紙」のジャケットを見ると、カッコ良さはすっかり失われている一方、エッチさだけは100%残っており、これはこれで見事です。

蛇足ながら、同じ「ハ行」には、その畑中葉子さんが後年 殆ど自暴自棄になったように日活入りしてリリースした「後ろから前から」も同居しており、「ハ行」は人生の交差点のような様相を呈しています。


そして"ザ・ピーナッツ"と"ピンクレディ"という 新旧「ピ」対決を経て、フィンガー5!

当時小3の私は、フィンガー5のたえこさんを真剣に愛していました。
今このジャケットを見て 「なぜ?」と問うのは意味のないことです。Love is blind. 恋は小3の私を狂わせたのです。


ともかく、こうしてこの「別室作戦」は大いに功を奏し、長年懸案だったシングルレコードの整理はここに終了しました。

*

で今、お酒を飲みながら一連の作業を総括しているのですが、今回の作業を通して認識し、少なからずショックを受けたのは、橋本が所有しているシングル盤は、 上述のようなどこから見ても素晴らしいものとは別に、結構つまらないものも多かったという事実でした。
ざっと数えても 何十枚という単位で存在していたような気がします。

例としてどういうレコードをお示しすれば読者の皆様にその"つまらなさ具合"を理解して頂けるか難しいのですが、例えば右の「裕矢のテーマ」などはどうでしょう?

演奏者や歌手名といった基本的情報の記載すらない上、小学生のレタリングのようなタイトル文字。
全体の構図も隙間だらけで、なぜこの無駄な空間が放置されているのか不明です。
「YUYA MY LOVE」という英題も付されていますが、原題とは全く関係がありませんね。

気を取り直して曲に針を落とすと、ジャンル不明の軽快な曲に
 Super day for winner today
 Gonna blow my machine away〜
という意味不明の歌詞が乗っており、そこに突然 「ブロ〜〜イ〜〜ン〜(=blowing)」と女性の金切り声が襲いかかって来るという、殆どホラーな展開。

さらに、ジャケット裏には 【少年スーパーカーファン2大ニュース】 なるものが掲載されており、
 スーパーカーにあこがれる少年、それを名付けて「スーパーキッド」。
 BBやカウンタックを一部のおとなたちにせんりょうさせておく手はない。
と無茶苦茶なことを書いています。


と、つまらないレコードの「つまらなさ加減」を説明するはずが、色々と取り上げているうちに結構魅力的な1枚に昇華してしまった感がありますが、 実際は、こんなもんじゃない、本格的に取るに足らないレコードが実にたくさんあって結構ヘコんだのでした。

*

さて、作業を終え、部屋の所定の位置にレコードを五十音順に整頓して並べた私。
冒頭に書いたとおり、その先頭は青江三奈さんです。

彼女のレコードのジャケットの魅力については、既に「伊勢佐木町ブルース」>>のレビューで取り上げたところですが、 手元にはそれにも全く引けを取らない「池袋の夜」なる1枚が!
息を飲む濃さに加え、B面「私にさわらないで」というタイトルの迫力!

「さわらないで」と言われても・・・と戸惑う外ありませんが、奇しくも同じ「い」から始まる「池袋の夜」と「伊勢佐木町ブルース」。
結局、2文字目の「け」が「せ」を制し、この「池袋の夜」のジャケットが最前列に位置することとなりました。


今、私の部屋では、この青江三奈さんが異様な存在感で全体を見渡し、空気を支配しています。