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2011.4.3
新年度


エイプリルフールなる行事(?)って、いつから(というか何故)この世に存在しているのでしょう?
私もそのあたりは良く分かっていないのですが、今年はGoogleのトップページの「嘘」が方々で話題になっていました。

もともと、4月1日付のGoogleトップページに全国の小中学生が描いたGoogleロゴの中から優勝作品が掲載される、というコンテストだったようですが、
優勝作品だけを掲載するお約束でしたが、今日は一年で一度、嘘をついても許される日ということで、最優秀作品だけではなく30作品を掲載することにしました
とのこと。

震災の影響で、メディアやインターネット関係業界を中心としたエイプリルフール関連の「諸仕掛け」も、今年は色々と自粛気味のよう。
そんな中でGoogleの着想はさすがに面白いなあと思っていたのですが、何より面白いのはそうした大人の着想を超越した小学生の独創性有り過ぎるイラストの数々。

私は左の絵がお気に入りです。 岩人間と猫と、何だっけな、怪獣だったかな、とにかくそういう謎のコラボレーションです。


先週の新聞に、両親と妹がいまだに見つからない小さな女の子が書いた 「ままへ いきているといいな おげんきですか」という手紙の写真が載っていて、自分は(情けないことに)写真も直視できず、記事の続きも全く読むことができませんでした。

あの女の子も、同じような境遇の子供達も、いつか楽しい絵が描けるようになるでしょうか。




2011.4.10
花の64年トリオ


表題の「花の64年トリオ」とは、1964年に誕生した我が家の3つのアイテムです。
先日ご紹介した電気ギター「フェンダー・ジャガー」、当アワーの開始直後に入手したアコースティックギター「マーチン・D28」、そして私。
骨董品等の貴重なものは何一つない我が家において、もっとも歴史のある3objectなのです。

ちなみに小5の時に拾ったクラシックギターは誕生年が不明で、逆に証拠もないことから64年製と言い張って「64年カルテット」とする手もないわけではないのですが、そこまで古くて高価な品ならそもそも捨てられていないでしょうから、無理なカルテット結成については見送りました。


古くなるに従って価値が上がるという点で、前2者(ギター)と後者(私)は決定的に異なるのですが、そこにジェラシーを感じてはいけません。
というより、ジェラシーがどうのとか言う気も失せるくらいこの2本のギターは素晴らしく、本来「花の」と付けるなら「64年コンビ」というほうが正確なのですが、そうなるとまるで私だけが無駄に古いかのような感が出始めるため、ここは押しかけてでも「トリオ」を結成することが大事なのです。

震災による世の中の自粛傾向の善し悪しは別として、事実、春といってもレジャーといった気分にならないため、最近は遅くに帰宅しても、休日昼に家にいても、楽器を弾いている時間が多い気がします。

特に、先の地震では倒れた本棚とそこに並んでいた書籍やPC、録音機材、鍵盤などの下敷きになっていた2本の同期生。
木製の工作物のくせに、よくも隙間に入って生き残ってくれたものです。
改めて楽器を弾けること自体の幸運を思わずにはいられません。

というわけで皆さん、「花の〜」と言ったら中3トリオではありませんよ(今どき「花の○○トリオ」などと誰も口にしていないかと思いますが)。

明日は震災から一ヶ月。
14時46分は、日本中が静かな時間になることでしょう。



2011.4.23
深夜放送とキャンディーズ


自分が深夜放送を聴き始めたのは中学1年生の時。
北海道の千歳市から恵庭市に引っ越した時期で、「おやすみー」と言って電気を消した後、布団の中で寝た振りをしながらイヤホンで聴くのです。
自分の部屋など勿論なく、弟は横で寝ていますし、電気をつけると寝ていないのがバレて親に叱られるし。

当時仲の良かった同じクラスの外戸(ほかと)君は自分の部屋があり、お菓子とかジュースをお供にして聴いていると聞き、中1にして出生の不公平を感じたものです。
どうにも羨ましくて、一度布団の中にこっそり買い込んだプリッツを持ち込んだことがあったのですが、ふすま一枚隔てた横には親が寝ているため(という本当に狭くて古い住宅だったのです)、なぜこんな音の鳴る硬質な菓子を選んでしまったのかと呪ったこともありました。


文化放送のセイヤング、TBSのパックインミュージック、そしてニッポン放送のオールナイトニッポンが、当時の深夜放送の3枚看板だったかと思いますが、遠く北海道ではSTVラジオにてオールナイトニッポンが聴けるだけ。
従って、北海道の中学生の目標はただ一つ。午前1時のオールナイトニッポンが始まるまで、寝ないで起きていることです。

しかし部活動や勉強で異様に疲れて眠い中、暗い部屋で布団に入った状態で午前1時まで起きているなんて、至難の業どころかもはや我慢大会です。
当時STVラジオでは0時から「アタックヤング」という番組をやっていて、その1時間を乗り切るか否かが最後の勝負。
アタックヤングが終了し、あと5分というところで気が緩んで撃沈してしまったことも一度や二度ではありません。
そうした点で、まさしくアタックヤング。暗示的なタイトルの、侮れない番組だったのです。

*

御存知の通りオールナイトニッポンは、午前5時に終了します。
苦難の末、午前1時まで意識を保ったとしても、その後早々に力尽きることも多々ある訳ですが、稀に好調で午後4時代に突入することがありまして、その時間帯に流れる音楽は、日常と違う時間の過ごし方をしていることに対する興奮と相俟って、聞き慣れた曲でさえ別世界の音楽のように聞こえたもんです。
中1ですから勿論好きな女子もいますし、その時間に自分が考えていたこととか、カーテンの外が何となく明るくなってきた情景とか、そうしたものと一緒にそれらの曲達は強い記憶として残っています。

キャンディーズさんの「微笑みがえし」は、そうした中の1曲です。
キャンディーズさんが解散したのは、ちょうどその中1から中2になる頃。
自分はキャンディーズのレコードもカセットも持っていませんでしたが、過去の曲名を歌詞の中に織り込みつつ、「可笑しくって涙が出そう」と寂しい出来事を明るく歌うこの曲を午前の4時に聴きながら、「すげー曲だなあ・・・」と放心して聴いていたもんです。


ライブ・ハシモトコウ新春アワーでは毎回、その前年に亡くなった著名な方々の曲を演奏させていただいておりました。
東京本社勤務が続きそうなので当分機会はなさそうですが、亡くなった田中好子さんとあの頃の思い出も併せて偲び、次回はキャンディーズの名曲を片っ端からやるってのが良さそうですね。