2011.9.11
 恐怖のミイラ


3週間振りの更新がこんなタイトルですみません。
いえ、ほら、総理の交代とか組閣とか色々あったものですから。
ちなみに私は東京に来て2年半で、はや5人目の大臣です。


さて、写真週刊誌や雑誌等の背表紙等によく掲載されている、実に多様な業態の通信販売の広告。
例えば商品を身につけた瞬間から女性に激しくモテ始めてハーレム状態となった方の成功談など、嘘偽りのない体験インタビュー類も見逃せません。

一方、これらの雑誌類に比べればおとなしいものの、新聞の全面広告もまた、新聞という媒体が保たねばならぬ社会性の範囲内でギリギリの表現の工夫がなされており侮れません。
そもそも全国紙の全面広告の広告掲載料であれば、幅があるとしたって最低でも何千万円。
つまりその金額の回収を可能たらしめる、商品購買層の圧倒的な厚さが自明の事実として導かれるわけで、底知れぬ深さを感じます。


さて今、私の目の前にあるのは某全国紙に掲載されている、DVD商品群の全面広告。
読者が最初に目にするであろう最上段部に、いわゆる名画・名作の類を集中させており、まずは広告全体に対する安心感を植え付けようという狙いがうかがえます。

ところが中段から下段にかけて、いわばグラデーション的に急速に猥雑になっていき、最下段=「家族や他人の目を気にせず楽しめる」自分専用DVDプレイヤーの広告でとどめを刺します。
うーん、この手の広告の定番的な「変わらなさ」は、ある意味、様式美的な安心感を読む者に与えますね。


そして、くだんの「恐怖のミイラ」。
上記の「「猥雑グラデーション」の中間に混乱分子的に位置し、全体が猥雑化することに対する強力な防波堤となっています。
何しろこれです(←左)。

判別しにくいと思いますが、絶妙なレタリング文字で「恐怖のミイラ」と記されています。
昭和36年作の作品。
「あまりの恐怖に失神する視聴者が続出したと言われる、日本初の連続テレビホラー作品」
なんです。

御存知ない方は、試しにYouTubeで「恐怖のミイラ」で検索して表示された動画を観てみて下さいって。
画像、ナレーション、奇妙な女性のハイトーンのBGM・・・。
私は開始20秒くらいで失神したので、まるで全てを把握していませんが。

これらは紛れもなく日本の文化の歴史の一断面なわけです。
そしてそのことを私に教えてくれた、猥雑なDVDの全面広告!
今後私がこの手の紙面をチェックしているのを見かけた方は、橋本は各種DVDラインナップには目もくれず我が国の文化の歴史について調べているのだなと理解して下さい。




2011.9.25
 職場の売店考


かれこれ10年ほど前、当アワーにて、自分の職場の特殊な形態の売店についてご紹介したことがございます。
スーツ・紳士靴から果ては宝石〜珍味類に至るまで、意味不明のローテーションにより庁舎地下の一角に陣取って商売をする行商的な業態。

「10年ひと昔」とは言ったって、現在から10年前なら既に21世紀です。
その21世紀に、敢えてこれらの売店で高級スーツ類を購入している方の姿を確認したことは結局ありませんでしたし、間違いなく繁盛していなかったと断言できます。

この興味深い業態の起こりを詳しく調べたことはありませんが、勝手な想定としては、同じ行商的商売を営む方々によるギルド的組合組織があり、高度経済成長期の"何でもアリ"な時期に各所に販売スペースを拡大、これが既得権化して排他的に確保して現在に至る−といったイメージ。
いずれにしても、この方たちは21世紀の東京のど真ん中において、異彩を放ちつつご商売を営んでいたのです。

ところが、せっかく21世紀までは生き抜いたいうのに、これらの「職場内行商」は急速に姿を消して行き、とうとう全く無くなってしまいました。
まあ当たり前と言えば当たり前であり、良くここまで持ったというほうが正しいのでしょうが、環境の変化に抗しきれずに恐竜のように絶滅してしまったのですね。

結果として役所内に突然発生的な行商スペースは消え、薬局、文房具、クリーニング、書籍、そして携帯電話といった必要最低限かつ固定的な店舗のみとなってしまいました。
無論何の不便もないものの、味わいがないという点で残念でなりません。


さて、更に時代は流れてここ1〜2年。実はこの「必要最低限的」な店舗すらも、いよいよ姿を消し始めるに至りました。
要因は色々ありましょうが、何と言っても新たに職場内に参入したコンビニエンスストアの威力、これに尽きましょう。
実際、生き残っているのは薬局・クリーニング・携帯電話というコンビニの取扱不能な商品の販売業種だけで、構造的因果関係が導き出されますね。

ちなみに「職場になぜクリーニング店が?」と不思議に思った大学生の貴方!
大人には単身赴任制度という過酷な勤務システムがあり、職場にクリーニング店はなくてはならないのです。試験に出ますので覚えましょう。

と長々書きましたが実はこれらは単なる導入部で、今日は私の職場内のクリーニング屋さんが「東宝舞台(株)」であること、そして電気屋さんが「東京電気」という魅力的な名前であることについて、書きたかったのです。
が、余計なことに考察を加えすぎて、頭が飽和しました。
東宝舞台及び東京電気については、また明日。