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2012.6.3
また逢う日まで


自分のライブのラストで「また逢う日まで」を歌うようになったのは、1999年とか2000年とか、そんな年。
世の中が21世紀に変わる頃でした。

「尾崎」と言えば、ある世代なら「豊」。
「亜美」と来れば、それはそれでシブいですね。戦後のジャズメンの方々が「ボサノバからジャズに入った」みたいなことを仰っていて、あれはあれでカッコ良いのですが、私はと言えば「亜美からボサノバ」です。実際「マイ・ピュア・レディ」は超名曲であり、恵庭市立恵明中学校の幼気な中学生だった私には、あまりに大人な世界。
強いて混乱要因を挙げるなら、資生堂のCMのバブリーかつアンニュイ(←という言葉自体が一層バブリー)なあの雰囲気と言えましょう。
と言われたら、見たくなるでしょ?便利な時代、是非どうぞ。
ちなみにCMの女性は小麻美さんです。

そして、冒頭の通り、私にとって尾崎と言えば、誰が何と言ったって「紀世彦」です!

1971年に発売された「また逢う日まで」のジャケットに記載されたコピーは、「スケールの大きさと抜群のフィーリングで圧倒する歌謡界待望の大型歌手」。
しかし聴く者を圧倒する以前に見る者を圧倒するのがこの三角形のもみあげで、本来見えるはずのない左側面のそれまではっきりと写っています。
時代を問わず、絶対に流行らない髪型と言って良いでしょう。

しかし人間、髪型で判断してはいけません。
私も大学時代にこの1枚を購入、慎重に針を落とし、出てきた音を聴いたときは、余りのカッコ良くて絶命してしまうかと思いました。
それもそのはず、何しろ作詩は阿久悠さん、作曲は筒美京平さんというゴールデン・コンビ。
この2人に尾崎紀世彦さんまで加わった今、そのポテンシャルはもはや危険な領域に突入したと言って良いでしょう。

・・・という数行は、実は当アワー2chのレコード・レビュー欄の10年前の文章なのですが、我ながら良い文章に仕上がっているのは、如何にこの曲を私が愛しているかを如実に表していると言えましょう。

そんなわけで、尾崎さんが亡くなった今宵、この名曲とお酒のヘビーローテーションでご冥福をお祈りしましょう。




2012.6.10
遠足と炭酸飲料


北海道の6月は、小学校の遠足の季節。
取材したところ、現在のおやつ代は200円に設定されている模様です。
振り返れば自分の頃もそんな額だった気がしますから、社会経済が激しく変動してきた中で、驚異的に安定した固定相場的価格設定と言えましょう。

問題となるのはジュースの取扱で、例えばバナナ等と共に、これがおやつ代にビルトインされるのか否かは現在も大きな社会問題であるはずと思い小学生に確認したところ、そもそもジュースは携行禁止で、水筒に入れた水もしくはお茶のみとなっているとのこと。
厳しい運用の中で遠足に臨む小学生に敬意を表しつつ、私は聞き込み調査を終えました。

自分の(少なくとも自分の小学校の)遠足時の携行品の花形は、何と言っても炭酸飲料です。
幼少時、コカコーラのホームサイズ瓶の破裂事件なるものが発生し、当時の小学生を恐怖のどん底に突き落としはしましたが、その後も、先行のコカコーラ、ファンタ等に加え、スプライト、HI-C、ミリンダ、ドクターペッパーなどの商品が次々に乱れ打たれています。

ちなみに「非炭酸」系の注目株は、ヤクルト・ジョア。
「♪ジョア、ヤクルトジョア、みんなのみんなのジョア〜」という、聞き慣れぬ南米サンバのリズム×小柳ルミ子さんというド演歌歌手の組み合わせは、子供心にも「これは新しいコラボレーションなので・・・」という思いを抱かせるものがありました。

で、話は戻って炭酸飲料です。
上記の通り様々な魅惑の商品が世に出る中で、千歳市立高台小学校の中学年の心を打ちぬいたのは、キリンレモン。正確に言えば、キリンレモンのアルミ缶です。

記録によれは、麒麟麦酒「キリンレモン」250mlは初のアルミ缶で、発売は昭和48年とのこと。
自動販売機から出てきたアルミ缶の、ベコベコした奇妙に柔らかい感触等は、当時の小学生を興奮させるに十分なものがあったのです。
確か小学校の4〜5年生の頃、前日から凍らせておいたキリンレモンをリュックに入れ、お昼のお弁当&おやつ時、程良く溶けてキンキンに冷えた生ビールでも飲むかのように飲んでいる友達を見て、なんて頭がイイんだろうと衝撃を受けたもんです。

そして、一部では「存在した×しなかった論争」にまで発展した「ファンタ・ゴールデンアップル」の登場の時間ですが、これについても本日掘り下げたいところ、先ほど「キンキンに冷えた生ビール」という文言を使用してしまい、自分の関心はそちらに移動しましたので、今日のところはここまでに。




2012.6.18
終了・スローボート17周年ライブ


自分の演奏も平和裡に終了し、良さんに奢って頂いたビールを気持ち良く飲みながら、私は最後のセッションを眺めて聴いておりました。
福居良のピアノは勿論のこと、玉川健一郎のうた、そして竹村一哲(←コウアワーで叩いてくれている若干22歳の天才ドラマー)のドラム。
彼らは生活の状態として事実プロなのですが、何よりその実力という点において、紛れもなく、圧倒的にプロフェッショナルなのです。

自慢話と誤解の無きよう読んで頂きたいのですが、私もライブに来て下さった心優しいファンの方から褒めて頂くこともありますし、例えば「プロ級」みたい言葉で持ち上げて頂くこともたまにはございます。
ございますが、しょせん「プロ級」と、あのクラスのプロとは、もう厳然と違うわけです。
で、どんなジャンルに関わらず「あのクラスのプロ」の技や魂を見るのは、あらゆる点で自分の糧になって良いのですね。
楽しく有意義な1日でありました。

なお、最後は正真正銘自慢話ですが、上記の竹村一哲君。
全国的に売れっ子の「ジャズ界の石川遼」的存在ですが、現在確定している来年の予定は渡辺貞夫さんのツアーとハシモトコウアワーだけとのこと。
「だけ」は社交辞令としても、皆さん、竹村一哲のドラムを見て、打ち上げで身近に一緒に飲めるのはハシモトコウアワーだけです!
「○○先生の漫画が読めるのは少年ジャンプだけ」みたいなもんです!
ちなみに前回のコウアワーの時は一哲が20歳になったばかりでしたが、打ち上げで私の友人の美しいお姉さま達に囲まれて飲まされ、どうやって帰ったか覚えていないとのことでしたので(笑)、次回はどうぞお手柔らかに。