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Bluegrass駅伝的アルバムレビュー「Bluegrass Times」
 
駅伝的アルバムレビュー「BluegrassTimes」 / 越澤勝 -banjo-

Uncle Charlie & His Dog Teddy / Nitty Gritty Dirt Band(1970)
1. Some Of Shelley’s Blues
2. Prodigal’s Return
3. The Cure
4. a.Travelin' Mood〜b.Chicken Reel
5. Yukon Railroad
6. a.Livin' Without You〜b.Clinch Mountain Backstep
7. Rave On
8. Billy In The Low Ground
9. a.Jesse James〜b.Uncle Charlie Interview
10. Mr. Bojangles
11. Opus 36,Clementi
12. Santa Rosa
13. Propinquity
14. a.Uncle Charlie〜b.Randy Lynn Rag
15. House At Pooh Corner
16. Swanee River〜Uncle Charlie Interview#2
   〜The End〜Spanish Fandango
Les Thompson : Ele.bass、Ele.guitar, Vocals
Jimmie Fadden : Lead aco.and ele.guitar,Harmonica,Washtub bass,Vocals
Jeff Hanna : Rhythm aco. and ele.guitar,Drums,Washboard,Percussion, Vocals
Jim Ibbotson : Rhythm aco.guitar,Lead ele.guitar,Ele.piano,Drums,Conga,Accordion,Vocals
John McCuen : Banjo, Mandolin, Aco.guitar, Accordion
Contributing Musicians : Bill Cunningham,Maurice Manseau,Jim Gordon,Mike Rubini,John London,Byron Berline,Russ Kunkel
Label/No etc. Original LP:Liberty LST7642(CD:東芝EMI TOCP-3480)
お買い求め情報 日本盤CDは98年9月に廉価で再々発されているので、洋楽多売店であれば在庫あるはずです。CD NOW JAPAN http:www.cdnow.co.jpでも買えます。
備 考  

アンクル・チャーリーと愛犬 テディー/ Nitty Gritty Dirt Band

おそらく自分にとっての、「はじめてのブルーグラス」体験となった一枚です。
高校時代はいわゆる「ロック名盤100選」的な本を手がかりに音楽に対する興味の幅を広げていた時期だったのですが、これに出会った頃は登校拒否中、学校に行った振りをしてそのまま家に戻ってきて一日中レコードを聴いていました。

とにかくいろいろなスタイルが登場してきます。ロックンロール、オールドタイミー、懐かしのフォスターソング、ブルーグラス、フォーク、ケイジャン、クラシックのピアノソナタ(をバンジョーで演奏)、ジャグバンド、古いブルースマンの発掘音源?からそのブルースマン(=アンクル・チャーリー)のインタビューまでと、これ一枚でアメリカンポピュラー音楽史を軽くさらうことができそうで、とにかく飽きさせません(もちろんそのころは、それらがなんと言うジャンルの音楽かは知りませんでしたが)。

それでも散漫なイメージにならず、全体をビシッと締めているのが、要所要所に登場してくるブルーグラス・ナンバー、もしくはそのブルーグラス的要素。

スタンレーの(6b)はリズムをウォッシュタブベースとウォッシュボードが受け持ち、ブルーグラスのジャグ的展開といった趣きだし、みなさんおなじみのギター&マンドリンによる(8)は短めにフェイド・イン&アウトされて、LP時代のA面とB面のインタルードとして機能し、スクラッグスチューンの(14b)は突風のように過ぎ去っていくジャムの1曲という感じで、この3曲がアルバム全体のリズムを見事に作り出しています。

また、(3)のイントロと間奏で心地よくロールするツインバンジョー、(10)で絶妙の伴奏をみせるマンドリンも聞き逃せません。いわゆる同時代のカントリー・ロックの名盤で活躍するスティールギターがメインに登場してこないところも「カントリーロックというよりブルーグラスロック」とライナーで小倉エージさんに言わしめている一因です。

さらに,曲そのものも名曲多し!最近のカントリー・ロック流行の中、再評価著しい元モンキーズのマイク・ネスミスの(1)、ランディ・ニューマンの(6a)、バディホリーの(7)、大ヒットしたジェフリー・ジェフ・ウォーカーの(10)、そして特筆すべきは、古くはロギンス&メッシーナ、私の大学時代には「フットルース」!で一世を風靡したケニーロギンスの曲を(2)(5)(12)(15)と4曲も採用している点。(15)「プー横丁の家」が好きで自分の店の名にした人は全国に多いんでしょうね。自分の子供の名にはしたくないけど。

とはいえ、やっぱりロックのレコードなんだよなぁ。(2)はあのはっぴいえんど「抱きしめたい」でも活躍するエフェクター(ジェットマシーンでしたっけ)がかっこいいし、ドラムも画一的な裏打ちビートだけでなく,曲にあわせて効果的にたたき分けてるし、エレキギターの音色もまさにロックのそれ。

だからストイックでロンサムなブルーグラッサーにとっては、その猥雑感に「なに、これ」と眉をひそめられてしまうこと間違いなしなのですけど、だからこそ私は大好きな一枚なのです。そして、皮肉なことにこのレコードによって、大学時代の自分とブルーグラスとの関係性まで決定づけられてしまったような気がします。

とにかく、このレコードで聴いたバンジョーの音が潜在的記憶となっていた越澤少年(当時18歳)は、17年前のクラ館新歓コンサートでの湊部長(当時)によるスクラッグスメドレーによって再び感動を呼び起こされたのでした。(以下次号)


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Foggy Mountain Jamboree / Lester Flatt & Earl Scruggs and The Foggy Mountain Boys(1957)
A
1. FLINT HILL SPECIAL
2. SOME OLD DAYS
3. EARL'S BREAKDOWN
4. JIMMIE BROWN,THE NEWS BOYS
5. FOGGY MOUNTAIN SPECIAL
6. IT WON'T BE LONG
B
1. SHUKIN' THE CORN
2. BLUE RIDGE CABIN HOME
3. RANDY LYNN RAG
4. YOUR LOVE IS LIKE A FLOWER
5. FOGGY MOUNTAIN CHIMES
6. REUNION IN HEAVEN
Lester Flatt : Guitar, Vocal
Earl Scruggs : Banjo, Guitar
Everett Lilly : Mandolin(A-3)
Curley Seckler : Mandolin(A-1,2,5,6,B-1〜6)
Jody Rainwater : Bass(A-1,3,4,B-6)
Jake Tullock : Bass(A-2,5,6,B-1,2,3,4,5)
Howdy Forrester : Fiddle(A-3)
Benny Martin : Fiddle(A-1,B-4,5,6)
Chubby Wise : Fiddle(A-5)
Paul Warren : Fiddle(A-2,6,B-1,2,3)
Josh Graves : Dobro
Label/No etc. Original LP:Liberty CL-1019(日本盤:CBSソニー 20AP−17)
お買い求め情報 CDがカウンティで再発されているようですが、同じ形かどうか知りません。ベアファミリーの1948-1959で全曲聴けるのかな?
備 考  

Foggy Mountain Jamboree / Lester Flatt & Earl Scruggs and The Foggy Mountain Boys

手元にある当時買った日本盤の帯には1983.7.11と、買った日付がメモってあります。ちなみに同じ日に購入したのは同じくフォギーの『フォギーマウンテンバンジョー』、『そしてブルーグラスアルバムVOL.2』(JD,トニーライス、ドイルローソン)でした。その頃は、大学生協でカタログを見せてもらってブルーグラスの日本盤を注文することができたのですが、いまはどうなんでしょうか?
大学に入って初めて買ったブルーグラスのレコードがこの3枚で、入部を決めてから約2ヶ月の間があります。この微妙な期間というのは「ブル研入ったものの、本当にこのサークルで(最低)4年間を過ごしていいのかしら」などと、まるで結婚式間近のマリッジブルーの新郎みたいな葛藤があった気がします。教養生でクラスのつきあいもまだあったし、「富山みたいな田舎からせっかく都会に出てきたがに、なんでこんな田舎の音楽せんならんがけ?(富山弁)」と自分に、言い訳して、456向かいのフォーク研や軽音の女性とお近づきになりたいとも思ったのですが、私の場合は酒につられてそのままズルズルというのが正直なところです。その頃は部会の月曜日と、ジミー・ブラウンという喫茶店でのミニライブが定期的に行われていた木曜日の2度、飲むチャンスがありました。あまり部員もいませんでしたから、少し人数がいるときはきよた、そうじゃないときは九兵衛(昔18条市場の地下にあった)、カネサビルのどこか、もしくはおし鳥で渋く飲む、まさしく渋く飲んでいました。なにしろ九兵衛で飲む時は、最初に漫画読み出す人もいて、ほとんど会話もなく、一段落ついた頃に、その当時ではほとんど知る由もないブルーグラスのレコードやミュージシャンの話をしていましたから。当時部員の何人かが好んで着ていた緑色の上着(通称いなご服、中村さん、中田さん、大沼さんあたりが着ていた。その後私も狸小路で買った。)とともに忘れられない光景です。忘れられない光景といえば、ミニサイクルの荷台に水色のマーティンのギターケースをバランスよく載せて走る、作業ズボン姿の倉田さん、ご結婚おめでとうございます。

さてジャンボリーです。久々に聴いてみましたが、やはりすごい。ここまで無駄な音が無いというのも。もちろん元バンジョー弾きとしてはスクラッグスのバンジョーにどうしても耳が行ってしまうのですが、バンジョーを中心としつつ、それぞれの楽器が絶妙に絡み付いてくるのがM的な快感を呼びますね。「ひえー、もうやめてー」みたいな。しょっぱなの出だしからいきなりチューナーで「テーテェ テェーテェー チュエーチュエー」ですからね。たとえていうなら、パンツのゴムがゆるんで、落ちそうなのに全速力で走っている感じでしょうか?ぜんぜん違いますね。「ブルーリッジ」のイントロのバンジョーの後にレスターのボーカルの後ろに滑り込んでくるフィドル、「アールズブレイクダウン」のチューナーの後のGランが落ちてくる感じとか、さらにはレスターのちょっともわっと味のあるボーカルに武骨にのっかてくるカーリーセクラーの男気のあるテナー、そしてオープンチューニングであることを巧みに(安易に)利用したハーモニクスとチューナーによる乱痴気騒ぎのあと、厳かにジーザスを称えてエンディングを迎える。まさしくブルーグラスは緩急の音楽ですね。
「ブルーリッジ」のイントロといえば、すごく弾けた感じの音色とねっとりとしたロールがあまりにも強烈なインパクトで、結局イメージ通りに弾けたことがなかったのが残念でした。
ところで、このアルバム、実は何が一番好きかというと、インスト、歌、インスト、歌・・・と見事に交互に選曲されているところ。正直『フォギーマウンテンバンジョー』の方は「このインストを全曲コピーしなければならないのかぁ!」という強迫観念に苛まれて、遠ざけていたことがあって。その点、歌ものが入っていると「がんばる、休む、がんばる、休む」みたいなところが精神衛生上よかったのかもしれません。ところで、同じアーティストが一枚のアルバムでインストと歌ものを同じ割合で同居させているのって珍しいと思いませんか?(あったらごめん)器楽演奏と歌唱が同等に重視されているというのは、ブルーグラスが成立するまでに影響を受けた音楽の形態や、そのバンド編成によるものだとは思いますが、それでもこのアルバムはブルーグラスの特質を構成面でも体現しているものではないでしょうか。ちなみにフュージョン〜AORの名盤ラーセン=フェイトンバンド『フルムーン』(WPCR−3546)は歌4曲インスト4曲、歌、インストの順で交互に収録されています。AOR好き、フージョン好きは必聴ですぞ。尚、参加メンバーは当時の日本盤のライナーを参考にベアファミリーボックスのクレジットで英語つづりを確認したのですが、日本盤の解説のいいかげんなこと、聴けばわかるんでしょうけど、リズムギターとかも入ってたんですねぇ。時間が無かったので割愛です。(終)


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Live at the Cellar Door / The Seldom Scene(1975)
Side-1
1.DOING MY TIME
2. CALIFORNIA COTTON FIELDS
3.PANHANDLE COUNTRY
4. MUDDY WATERS
5.RAWHIDE
Side-2
1.BABY BLUE
2.CITY OF NEW ORLEANS
3. GRANDFATHER'S CLOCK(CDでは削除)
4.THE FIELDS HAVE TURNED BROWN
5. HIT PARADE OF LOVE
6.WILL THE CIRCLE BE UNBROKEN
Side-3
1.PICKAWAY
2. DARK HOLLOW
3.SMALL EXCEPTION OF ME
4. IF I WERE A CARPENTER
5.OLD GRAY BONNET
6.C&O CANAL
Side-4
1.GEORGIA ROSE
2.COLORADO TURNAROUND
3.HE RODE ALL THE WAY TO TEXAS
4.WHITE LINE
5.RIDER
JOHN DUFFEY : Mandolin
JOHN STARLING : Guitar&Vocals
MIKE AULDRIDGE : Dobro&Vocals
BEN ELDRIDGE : Banjo
TOM GRAY : Bass
Label/No etc. Original LP:REBEL SLP-1547/48  CD:CD-1103
お買い求め情報 CDはまだ売ってるでしょう。LPはどうなの?
備 考 日本盤の歌詞カード解説書、学生の時先輩の佐々木さんからもらいました。今回はそれがネタ元です

Live at the Cellar Door / The Seldom Scene

今回は長男誕生に免じて。手抜きです。

アーティストがその創作意欲の誘惑から、一度は作ってみたいと思うのが複数枚組セット(以下セット物と略)であり、結局制作上の、もしくはマーケティング上の理由からリリースを断念してしまう(もしくは断念させられてしまう〜レコード会社から)のもセット物なのです。
もちろんリスナー側も、なんとなく買うのを躊躇したり、買っては見たものの、すべてを通して聴けなかったりするのがセット物ではないでしょうか?
ということで、その必然性が許せるセット物は結構少なかったりします。個人的にはビートルズ「ホワイトアルバム」、トッド・ラングレン「サムシングエニシング」、スティービー・ワンダー「キーオブライフ」、XTC「イングリッシュ・セツルメント」、ウィーン「チョコレート&チーズ」と並んで愛聴しているセット物がこのライブアルバムです。
(同じ理由でNGDB「永遠の絆」が買っただけに終わっていることを白状しておきます。)

最近はジャム・バンドシーンといって、グレイトフルデッドなどに影響を受けた、フリーフォームなライブバンドが盛り上がっていたりして、そのなかにブルーグラス系のバンドなどもいたりするそうですが、その辺を追っかけているリスナーにも十分満足していただけるライブアルバムだと思います。
ジャムなんて言葉は、ロックの世界でもずーっと死語だったのにねぇ。

1曲目からライブバンドの本領発揮です。こんな単純な構造の曲をこれだけ長々と聴かせられるのも実力ですな。2曲目、ちょっとコードも多く、コーラスアレンジも洒落ていて、その上品な歌声に一時スターリングにはまったものです。ベンのバッキングも華麗ですね。

「パンハンドルカントリー」を決めた後「どうだNGR!?」と言ってるとのこと。

ブルージーな曲、定番の超高速インストにつづいて曲的に一番好きな「ベイビーブルー」。 終始リズムをひっぱるトムのベースがいいですね。

「シティオブ〜」そして「フィールズハヴ〜」これまたスターリングの歌声に惚れ惚れしつつ、バンジョー、マンドリン、ドブロの絶妙な歌伴もかなりいけてますね。

しみじみ聞かせたところでライブの飛び道具として有名な「ヒット〜」、意図的なんでしょうね、、他のどの曲以上にブルーグラス臭がプンプンですね。途中でピックは落とすは、調子にのってクロマチックやったところで、「JDはそんなことしないよ!」とソロさえぎられたりと、ベンがひょうきん。(ここで笑わない観客はなぜ?)ライブの楽しさ満点ですね。

アンコールの「永遠の絆」でステージ一部が終了、CDではそのまま第2部の「ピックアウエイ」になだれ込みます。ベンはアルバム全体で終始タメのある抑制のきいたタイミングを聞かせてくれていますが、「もたった〜」と聴こえてしまう人もいるようです.。そのへんはダフィーとかマイクのすこし前にある感覚との差だったりすると思いますがどうなんでしょうか?

「スモールイクセプション〜」これまた個人的にはベンのバッキングがよいですね。
とにかくこの第3面はまったり聞かせるサイドですけどベンのバッキングに尽きるような気がたった今しました。

「ジョージア」、素敵な転調でした。「コロラド〜」とにかくブルージーですね、マイクのフレーズ。「オールウエイトゥ〜」、バンジョーにミュートつけて、スターリング、歌い方まで少し変えて、とてもウェットな感じです。「ホワイトライン」も同じくきかせますねぇ。

そして「ライダー」、ラストにふさわしくじわじわと盛り下ていく感じが最高ですね。トムのベースとベンのバンジョーがリズムをきっちり作っています。いやー、バンジョーのロールにマンドリン絡んでくるところとかいいねえ。

いやーライブこのくらいできたらほんとにたのしいねぇ。
以上

子供もかわいいねぇ。きょうはウンチまみれだったけど。


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南国の夜〜アーリーデイズ1936〜1944 / 灰田勝彦 (2000)
1. ブルームーン
2. 薔薇色のえくぼ
3. いとしの黒馬よ
4. 牧場の唄
5. 君を慕いて
6. 青春のタンゴ
7. 青春グラウンド
8. 煌く星座
9. 峠の我が家
10. こりゃさの音頭
11. 森の小径
12. ジャワのマンゴ売り
13. 新雪
14. 鈴懸の径
15. バタビヤの夜は更けて
16. ジャワの夕月
17. 南国の夜
18. 春ほほえまば
19. 緑の小径
20. 憧れの南
21. 思い出のケシ
22. 小さな花
23. ジャワの宝船
24. 南国の夢
灰田勝彦 : vo
大谷列子 : vo K
紙 恭輔とそのジャズバンド : 演奏@
灰田晴彦とモアナ・グリー・クラブ : 演奏C、24
灰田晴彦と南の楽団 : 演奏M、P〜S
Label/No etc. VICG‐60408
お買い求め情報 今年の7月に復刻されたので普通のCD屋で購入できます
備 考 その他、情報等

南国の夜〜アーリーデイズ1936〜1944 / 灰田勝彦

特に夏ということもありますが、店にいるとハワイアンの根強い人気には驚かされます。
やはりご購入いただくのは60歳前後の年配の方が多く、レジを打ちながら「このおじいさんのようにいつまでも音楽ファンでいたいものだなぁ」と痛切に思ったりします。

そんななかで個人的に一番興味を持ったのが7月にビクターから再発された「ハワイアンミュージックインジャパン」シリーズ。
監修が日本のスラックキーギターの第1人者、山内雄喜さんということで、5タイトル仕入たら案の定、年配の方がすぐ買っていかれたのですが、その後ゴンチチの番組でオンエアされたのと、ジャケットに親近感を感じたので、衝動買いしてしまったたのがこの1枚。
うちに帰ってレコード棚探してみて分かりました、ビルモンの「ブルーグラス・ランブル」に似ているんですね。
マンドリンにしろ、ウクレレにしろバストアップの写真では、非常に効果的に存在をアピールしますね。バンジョーではこうはいかない。

しかし、聴いてビックリしました。ハワイアンが一曲も入っていない。よく解説を読んでみると、ハワイアンと並行して歌われたジャズと戦時中で敵国音楽が禁止されていた頃の流行歌の「番外編」と書いてある。帯にはそこまで書いていないし、ジャケットに騙された!

それでも何度か聴いているうちにはまって来ました。Aは晴れやかなジャズのラブソング、ボブウィルスの開放感を思い出させてくれるし、Cはバンジョー、アコーディオンはフィーチャーされて、ビルモンの「ロッキーロードブルーズ」っぽくもないこともない。EやLのタンゴ調の流行歌は日本人の琴線に触れまくるもので、特に大ヒットした後者は本当に名曲です。兄である晴彦のプレイするスチールギターも、哀愁たっぷり。
極めつけはラジオでもオンエアされたI「こりゃさの音頭」、クレイジーというよりシティスリッカーズをさらにさかのぼるジャパニーズジャイヴサウンド。
こんなたくましい雑食性の音楽を聴いていると素敵な気分になります。この頃の録音のノスタルジックな雰囲気が、今の我が家、すなわちパソコン使っている横で、赤ん坊がふとんの上でバタバタやっている風景にすごくマッチしていて昭和的な幸せを満喫できるからでしょうか。

ハワイアンのの器楽的な魅力を知りたい方は同シリーズの「スティールギタージャンボリー」(VICG-60405)がいいかと思われます。名前もジャンボリーだし。


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