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Bluegrass駅伝的アルバムレビュー「Bluegrass Times」
 
駅伝的アルバムレビュー「BluegrassTimes」 / 楠本洋一 -guitar-

High Lonsome Sound / Vince Gill(1996)
1. One Dance With You
2. High Lonesome Sound
3. Pretty Little Adriana
4. A Little More Love
5. Down To New Orleans
6. Tell Me Lover
7. Given More Time
8. You And You Alone
9. Worlds Apart
10. Jenny Dreamed Of Trains
11. High Lonesome Sound
Vince GIll : Guitar, Mandolin, Gut String
Steve Nathan : Piano, Synthesizers
Leland Sklar : Bass
Steuart Smith : Guitar
Carlos Vega : Drums
Billy Joe Walker Jr. : Guitar
Pete Wasner : Piano
Label/No etc. MCA / MCAD-1142
お買い求め情報 カントリーコーナーを探してください。
備 考 Jeff WhiteやAlison Krauss & Union StationなどがAdditional Musiciansとして参加しています。

High Lonsome Sound / Vince Gill

今回CD reviewに参加させて頂くにあたり、どのようなアルバムを選ぶべきかという事で大いに悩みました。幸運なことに私にはブルーグラスに興味を示す友人が多く、CDを貸したりすることもよくありましたので、その中で評判のよかったアルバムを紹介したいと思います。

今回紹介するアルバムはVince Gillの「High Lonesome Sound」です。Vince Gillといえば現在はカントリー界で活躍しており、ブルーグラスのCD reviewとしてはちょっと不似合いなアルバムかもしれませんが、ご容赦ください。

このアルバムはどの曲もすばらしく、松本さんの言う「泣きのボーカル」を堪能することが出来ます。その中でも私が特に気に入っているのは、Alison Krauss & Union Stationをゲストに迎え、IBMAアワードでベストソングにも選ばれた「High Lonesome Sound」です。「High Lonesome Sound」は2曲収録されており、2曲目がカントリーバージョン、11曲目がブルーグラスバージョンとなっています。特に11曲目は、このアルバム唯一のブルーグラス曲です。この曲では、なんといってもVince Gillの歌声が素晴らしく、聴くものを魅了します。また、Alison Kraussの甘い歌声とのハーモニーもいい感じに仕上がっています。Union Stationはあまり表に出てこないのですが、秀逸なメロディーラインがよくまとまった演奏で更に際立っています。

このアルバムは私の高校時代の友人が自らCDを購入するほど気に入っていました。彼は某医科大学の軽音楽部部長であり、ぜひバンドで演奏したいといっていましたが、いまだその夢はかなっていないようです。

話は変わりますが、Vince Gillのライブビデオ「Souvenir」は、とてもかっこよくてお勧めです。Vince Gillの歌声はもちろんのこと、Jeff WhiteのギターとJeff Guernseyのフィドルの音色は美しく、舞台演出もあいまって見る者を魅せてくれます。カントリーの曲ばかりなのですが、同名のCDには収録されていないブルーグラスのインストも1曲含まれており、Vince Gillのマンドリンを聴くことも出来ます。

とにもかくにも、とても聞きやすいアルバムだと思います。ブルーグラスをよく知らないという方にもお勧めですので、ぜひ聴いてみてください。


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The Best Of Country Sing The Best Of Disney / Various Artists (1996)
1. Kiss the Girl / LITTLE TEXAS
2. Beauty and the Beast / DIAMOND RIO
3. Some Day My Prince Will Come / TANYA TUCKER
4. Baby Mine / Alison Krauss
5. A Whole New World / COLLIN RAYE
6. Colors of the Wind / PAM TILLIS
7. You've Got a Friend in Me / GEORGE JONES & KATHY MATTEA
8. Can You Feel the Love Tonight / LARRY STEWART
9. Part of Your World / FAITH HILL
10. If I Never Knew You / HAL KETCHUM & SHELBY LYNNE
11. Someday / LEE ROY PARNELL
12. When You Wish Upon a Star / BRYAN WHITE
Label/No etc. WALT DISNEY RECORDS / 60902-7
お買い求め情報 TOWER RECORDSなど、大手レコードチェーン店を探せばあると思います。
備 考 発売当初はTOWER RECORDSで何十枚と山積みになっていました。

The Best Of Country Sing The Best Of Disney / Various Artists

 唐突ですが、みなさんは車の中でどのような曲をかけているのでしょうか?大学入学以来ほとんどブルーグラスのCDしか買ってこなかった私にとって、この問題は結構切実です。自分ひとりのときやブル研関係者を乗せるときは何も問題ないのですが、ブルーグラスという音楽を全く知らない人を乗せるときはちょっと気を使ってしまいます。だって他の人が全く知らない音楽をかけるのってなんだか気が引けませんか?みんな自分の知っている曲、もしくは知っているミュージシャンの曲がかかるのを(そして話が盛り上がるのを)期待していると思うのです。特にブルーグラスだと知らない人にとってはすべて同じに聴こえるだろうし、何より聴いていて面白くないでしょう。そんなこんなで、私が車の中でかけるものは、数少ない他ジャンルのCD(こちらは数年前からレパートリーが変わっていない)に加えて、ブルーグラスやカントリーのCDの中で比較的一般性のありそうなものを頑張って選んでいます。今回はその中の一枚を紹介したいと思います。

 このCDはタイトルどおりカントリーシンガーが1人1曲ずつディズニーの曲を歌うという企画ものです。誰もが知っている名曲(美女と野獣やアラジンのテーマソングなど)ももちろんカバーされています。そしてこのアルバムの4曲目では、ダンボのテーマソング「Baby Mine」をAKUSが演奏しています。もっとも演奏している楽器を見てもわかるように全くブルーグラスではなく、このレビューに取りあげるにはちょっと不適切かもしれませんね。でも結構いい感じです。

 「Baby Mine」の楽器構成
 Alison Krauss : Violas, Lead vocal
 Dan Tyminski  : Harmony vocals
 Barry Bales  : Acoustic bass
 Ron Block   : Guitar fills
 Adam Steffey  : Mandola

 ただ惜しむらくはまわりの曲が華やかなのに比べて、あまりに地味で目立たないところでしょうか。それでもAKUSは確かこの曲でグラミー賞か何かを獲っていたはずです(違っていたらごめんなさい)。

 とにもかくにもCD全体としては、ちゃんと聴いて楽しい作品に仕上がっています。特に原曲ではスローな曲がノリよくアレンジされていたりして、「おっ」と思うものがあるのがうれしいですね。それにブルーグラスミュージシャンが他のところでやっているのを探して聴いてみるというのも案外面白いものです。「たまに聴くならこんなアルバム」といった感じでしょうか。


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