Music Archive Review
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Sings Bluegrass / Del McCoury (1968) | |
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1.I Wonder Where You Are Tonight 2.Willie Roy 3.Prisoner's Song 4.You're A Flower in the Wildwood 5.Hey, Hey Bartender 6.Fire on the Mountain 7. Used to Be 8. Dreams 9. Whose Shoulder Will You Cry on 10. Roll in My Sweet Baby's Arms 11. Blue Yodel 12. A Beautiful Life | |
Del McCoury : Vocal and Guitar | |
Billy Baker : fiddle | |
Bill Emerson : Banjo | |
Wayne Yates : Mandolin | |
Tommy Neal : Bass(December 9th) | |
Dewey Renfro : Bass(December 10th) | |
Label/No etc. | ARHOOLIE F5006 |
お買い求め情報 | 現在はCDで『I Wonder Where You Are Tonight』(ARHOOLIE CD-5006)として売っています。(レコード盤より2曲多くてお得!) |
備 考 | デルさんご本人のサイン入りです(自慢!) |
音楽のすばらしさはもちろん、その人柄の良さに僕は惚れ込んでいます。
一時期、北大ブル研において「音楽は人柄論」がまことしやかに語られていましたが、デル・マッカリーという人はまさにそのとおりの人なんです。『ダンディーにしてフレンドリー。家族を愛し、ブルーグラスもまた愛す。』といったところでしょうか。
■デルさんの変遷
さて、このアルバムはデルさんのソロデビューアルバムです。(と思います。違っていたらごめんなさい!)
顔も若いですね〜。ちょっとデルさんの顔の変遷をジャケット写真からたどってみましょう。
1967頃 1979頃 1993頃 2000頃
デルさんは1930.2.1生まれですので、それぞれ、37歳、49歳、63歳、70歳頃の写真ということになります。
こんなにも人の顔って変わるんですね。いずれもかっちょいいです。
この人のブルーグラス歴はちょっと変わっています。
ビル・モンローさんに気に入られ、ブルーグラスボーイズに加わった時(1963年(33歳)頃)はバンジョープレイヤーとしてであり、その後リードボーカルに転向したのは有名な話です。
デルさんの声はいわゆる『High Lonesome Sound』の典型といわれます。
その声も写真の顔と同じように大きく変化しています。アルバムを持っている方は是非聞き比べてみてください。「へー。こんなに変わるんだー。」と妙に感心し、40年以上歌いつづけているデルさんの歴史を感じられると思います。
今もデルさんを聞きながら書いているのですが、まったくもってハイ・ロンサムです。
うーん、かっこいい。
■アルバムレビュー
ずいぶん遠回りしてしまいました。さっそく曲を聴きましょう。
このアルバムで一番時かっこいいのはなんといっても、“Hey, Hey Bartender”です。
曲名からしてかなりかっこいいです。
いきなりデルさんのGランから入って、さらに「ヘイ、ヘーーーイ」です。
こんなかっこいい曲があるでしょうか。
歌と歌との間に『間』があって、まさに「曲間を歌う」という感じです。
これがなんともいえない緊張感を生み出しています。
こういう曲、大好きです。
で、また、こういう歌がホントうまいんですねー。デルさんは。
バックではビリー・ベイカー(fiddle)とビル・エマーソン(banjo)が弾きまくっています。当然、ここも聴く逃せません。
■最後に
最近は、The Del McCoury Bandとして安定した作品を出し続けています。
最新アルバムのタイトル『The Family』のとおり、このバンドは本当の家族のような暖かさを感じさせてくれます。(一部本当の家族ですけどね…)
これも一重にデルさんの人柄がそうさせるんだなー。そう思います。
また会いたいなー。
◆(参考資料) Del McCouryさんがメインとなったアルバム年表
タイトル | 型番 | 発表年 |
Del McCoury Sings Bluegrass High on a Mountain Del McCoury and the Dixie Pals Del McCoury Del McCoury and the Dixie Pals Our Kind of Grass Del McCoury - Live in Japan Take Me to the Mountains Sawmill The McCoury Brothers The Best of Del McCoury and the Dixie Pals Don't Stop the Music Blue Side of Town A Deeper Shade of Blue The Cold Hard Facts The Family |
ARHOOLIE F5006 Rounder 0019 Revonah R916 Rebel SLP-1542 GrassGround102 Rebel SLP-1569 Copper Creek CCCD0118 Leather Records LBG-8107 Rebel 1636 Rounder 0230 Rebel 1610 Rounder 0245 Rounder 0292 Rounder 0303 Rounder 0363 CEILI MUSIC 2001 |
1967 1972 1974 1975 1976 1978 1979 1982 1985 1987 198? 1990 1992 1993 1996 2000 |
※文中の年月日については手持ちのアルバムやインターネットから調べたものであり、必ずしも正しくないもしれません。誤り等ご指摘いただければ幸いです。
The Video Collection / Tony Rice (1995) | |
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Tony Rice All Star Jam 1.Red Haired Boy 2.Blue Railroad Train 3.I Wonder Where You Are Tonight 4.White House Blues Tony Rice & Friends Tony Rice Unit | |
Tony Rice : Guitar | |
Sam bush : Mandolin | |
Jerry Douglas : Dobro | |
Jimmy Gaudreau : Mandolin | |
David Grisman : Mandolin | |
Mark O'Connor : Fiddle | |
Wyatt Rice : Guitar | |
Ricky Skaggs : Mandolin | |
Rickie Simpkins : fiddle | |
and others | |
Label/No etc. | VESTAPOL 13058 (Rounder) |
お買い求め情報 | ブルーグラスのビデオを扱っている店であればあるでしょう。(B.O.Mとか) |
備 考 |
まずはじめに…すみません。ごめんなさい。
社会人となって時間へのルーズさがなくなったかと思ってましたが、やはりブル研タイムを復活させてしまいました。
ということで、あとの皆さん、締め切りには遅れないように気をつけてくださいね。
今回ご紹介させていただくのはCDではなくビデオです。
1992年のマール・ワトソン・フェスのTony Rice All Star Jam, Tony
Rice & Friends, Tony Rice
Unitの3バンドの映像を収めたもので、トニーのダンディズムが存分に堪能できるビデオです。
もちろん、私はトニー・ライスが大好きなんですが、一人スーツ姿で決めてくるところやしかめっ面で“歌を語る”ところなどライブで見せるトニー風味が、僕はたまらなく好きです。ですから、そういった人はぜひこのビデオを入手してトニーにどっぷり浸りましょう。
■Tony Rice All Star Jam
たしかこのバンドはBluegrass All Star
Jamという名前だったはずですが、このビデオではトニーの名前を冠してあります。
バンドの面子もオールスターというにふさわしく、サム・ブッシュ、ジェリー・ダグラス、マーク・オコーナー、ベラ・フレック、マーク・シャッツとそうそうたるものです。これだけの人が揃っていると本当に安心して聞けますね。興奮するとも言えます。
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曲のほうは、Red Haired Boy,
Blue Railroad Train, I Wonder Where You Are Tonightと結構淡々と進んでいきますが、利き所はなんと言ってもWhite
House Bluesです。ボーカルはトニーではなく、サム・ブッシュですけど。サムの歌はいいですね。ちょっとしゃがれた声で非常にブルージーです。さらに、サムはソロやバッキングのとき、相変わらず前後に揺れてます。すごい揺れです(笑)。 (White House Bluesの映像) ←Windows Media Player6.4が必要 |
■Tony Rice & Friends
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このバンドの面子を書くのは大変です。リッキー・スキャッグス、デビッド・グリスマン、マーク・オコーナー、ジェリー・ダグラス、リッキー・シンプキンス、ピート・ワニック、そしてなんとデル・マッカリーです。デルはニコニコしながらギターを弾いていて、何のためにいるのかちょっと?です。ま、僕としてはデルの笑顔を見るだけで心が和むので、よしとしましょう。(もしかすると、ビデオに収録されてないところで歌ったりしてるのかもしれません。) Bluegrass Breakdownはこれだけの人数でソロをどんどんまわしていくので、さながらフェスのあとのジャムのようです。平成2年の北大学祭で行われたマンドリンバトルを思い出します。 |
■Tony Rice Unit
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トニー・ライスとしてブルーグラスをやる一方で、それとは別にトニーが目指す音楽を探すバンド。それがTony Rice Unitという感じがします。ブルーグラスでのトニーは確かにトニーライスなのですが、Tony Rice Unitのトニーはよりトニーライスらしい。と私は思います。 私の中でTony Rice Unitというと、Richard GreeneやTodd Phillips, Sam Bushらが面子として思い出されますが、このビデオでは、Wyatt Rice, Jimmy Gaudreau, Rickie Simpkins, Ronnie Simpkinsという面子でやっています。これだけ面子が異なっても、やっぱりTony Rice Unitです。 He Rode All The Way To
Texasはいい曲です。イントロのトニーのギターはとても泣けます。 |
■おわりに
このビデオはトニーライスファンならもちろん、ブルーグラスファンであれば相当楽しめると思います。これだけ豪華な顔ぶれが一気に見れるビデオはそうはないでしょう。(と思ったけど、いろいろなフェスのビデオがありますね。ま、それはそれとして…)
ともかく、このビデオは楽しいのです。
学生の頃はバリバリ弾きまくる“これぞブルーグラス!”という曲(例えばWhite
House Bluesなど)が好きだったのですが、最近はHe Rode All The Way To
TexasやShadowsなどのしっとりとした曲が非常に好きになってきました。
あらためて、Native
AmericanやCalifornia Autumnなどを聞いて、トニーのよさを再確認しているところです。
Dan Crary / Take A Step Over | |
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1. Bugle Call Rag 2. Take A Step Over 3. Great Tunes/Dumb Names Medley (Done Gone/Flop-Eared Mule/Crazy Creek) 4. Raleigh And Spencer 5. Come Hither 6. Willie, The Wandering Gypsy 7. Hot Canary 8. Traditional Suite In E Medley (Fishin' Creek Blues/The Blackbird/Turkey In The Straw/Bonaparte's Retreat/Arkansas Traveler) 9. Lord Build Me A Cabin | |
Dan Crary : six and twelve-string guitars, vocal | |
Byron Berline : fiddle on 1, 2, 6 and 9 | |
Sam Bush : fiddle on 3 and 5, mandolin on 3, 5, 6 and 7 | |
Skip Conover : dobro, vocal on 9 | |
John Cowan : bass on 3, 5 and 9 | |
Bela fleck : banjo on 3, 5 and 9 | |
David Hartzheim : harmonica on 2, 4 and 6 | |
John Hickman : banjo on 1, 2 and 9 | |
Herb Pedersen : vocals on 2, 4, 6 and 9 | |
Jerry Scheff : bass on 1, 2, 4, 6 and 9 | |
Tom Sauber : banjo on 3 and 4 | |
Label/No etc. | Sugar Hill / SH-CD-3770 |
お買い求め情報 | ブルーグラスを扱っている店であれば、あるんじゃないでしょうか。昔のアルバムもCD化されていて手に入りやすいと思います。 |
備 考 |
Dan Craryという人をどれくらいの人がご存じなのでしょうか?(ちなみに、ダン・クレアリーと発音します。)『誰それ?』という方が多いのではないでしょうか?私としては、クラレンス・ホワイト、トニー・ライス、ドック・ワトソンと並ぶリードギターの名手だと思いますし、実際そう言われています。
彼のギターの特徴は、迫力あるピッキングにあると思います。その音量はクラレンス・ホワイトかそれ以上です。しかし、そのフレーズは誰のものでもありません。非常にオリジナリティが高く、いい意味で非常に目立ちます。味付けは超濃い目です。(注:好き嫌いは別れると思います(笑)。)
マーク・オコーナーのギターが思い出せる人は、それを思い出してください。あれです。あのギターにそっくりなんです。(注:マーク・オコーナーのギターの先生がダン・クレアリーだったのですから、そっくりなはずです。私が学生だった頃、北大のブルーグラス研究会の部室でダン・クレアリーとマーク・オコーナー二人のライブを納めたテープを見つけたことがあります。非常にすばらしいライブなのですが、日時や場所が不明です。どうも札幌でやっているようなんですが、どなたかご存じないでしょうか?)
さて、曲を聴きましょう。1曲目の"Bugle Call Rag"は、ハーモニックスを使った彼らしいクリアで迫力のあるソロです。一発目からかなり全開気味です。
飛んで、3曲目はインストのメドレー、5曲目はビル・モンローの"Come Hither"、7曲目はポップな感じのインストです。5曲目のようなブルージーな曲はダン・クレアリーのギターがよく合います。実は3,5,7曲は他のメンツがサム・ブッシュ、ベラ・フレック、ジョン・コーワンであり、ニューグラス・リバイバルの中にダン・クレアリーが入った形になっています。全然、ニューグラスっぽくはありませんが、サム・ブッシュもベラ・フレックもタイトなかっこいいソロを弾いています。
8曲目はまさにダン・クレアリーの独壇場、一人で弾きまくっています。彼はフェスなどでもギター一本で出ていますが、これがまた、すごいんです。例えば、"The Berkshire Mountains Bluegrass Festival"の"Lady's Fancy"はほんとにすごいですね(越田氏のレビュー参照)。私はこれを聞いて彼のアルバムを買い始め、ファンになっていきました。
2,4,6,9曲目は歌ものです。実は彼は非常にいい声だったりします。非常に渋く、低音のボーカルが聞けます。
−−−−− × −−−−− × −−−−− × −−−−−
全体的に、ブルーグラスとそうでない曲が混ざっているアルバムですが、彼の『ズダダン…』というギターが鳴らされるだけでダン・クレアリーの曲になってしまうところが、私としては何とも言えず好きなところです。
これとは別のアルバムに、トニー・ライスはこうコメントしています。『私が"ビッグ・ダン"を初めて聴いたのは1970年のBluegrass
Allianceの演奏でした。私にとって、彼の演奏は1940年代のアール・スクラッグスの演奏のように衝撃のあるものでした。彼の力強く、考え抜かれた演奏はまさにスクラッグスのようであり、幻想(illusion)を作り出す優れた技術を持っていました。』
トニー・ライスにはダン・クレアリーの演奏とアール・スクラッグスのそれがダブるんですね。わかるような、わからないような…
Stephane Grappelli & Toots Thielemans / Bringing It Together(1995) | |
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Stephane Grappelli : violin | |
Toots Thielemans : harmonica, guitar and whistling on | |
Martin Taylor : guitar | |
Brian Torff : bass | |
Marc Fosset : guitar | |
Label/No etc. | CYK 801-2 |
お買い求め情報 | ジャズコーナーにあるでしょう。 |
備 考 | ジャケットが似すぎで笑っちゃいます。 |
今回はちょっと方向性を変えて、ジャズのアルバムをご紹介します。とはいってもブルーグラスとまったく無縁というわけでもありません。みなさんご存じのグラッペリさんのアルバムです。ブルーグラスアルバムとしてはグリスマンさんと一緒にやっている名盤『Live』で名演奏が聴けます。
グラッペリさんはほんとにきれいなバイオリンを弾きます。『Live』ではそのきれいなバイオリンと、いわば対峙するかのようなグリスマンさんの激しいマンドリンが絡むことで、得も言われぬ興奮を覚えました。『Live』1曲目"Shine"で、グリスマンさんの激しいキックオフにグラッペリさんのフィドルが絡むところなどは、「ジュリー!」(by ひろすえ)って感じです。
それに比べて、このアルバムはいい意味で正反対のアルバムであると言っていいでしょう。きれいなバイオリンにきれいなハーモニカ。さらにバックもマーチン・テイラーをはじめとして、“上品で良質”な演奏を聴かせてくれます。ひとつひとつの音がきれいで、美しいメロディーと心地よいリズム。自然と体が揺れてしまいます。「ジュリー!」と叫ぶところはありませんが、聴く終わるととてもすがすがしい気分になります。
1曲目の"Bye Bye Blackbird"では軽いスウィングが心地よいです。
4曲目の"Georgia on My Mind"はメローでスウィート。とってもアダルトです。
6曲目の"You'd Be So Nice
to Come Home to"はこのアルバムの中ではアップテンポな曲です。シールマンスさんの口笛とギターのユニゾンがきれいです。ちなみに、口笛なら同じように出来るかなと思ってやってみましたが、かなり難しいです。
最後の"As Time Goes
By"(映画「カサブランカ」で使われていましたね)では、最後をしめるのにふさわしく、ゆったりとした雰囲気の中で美しいメロディーと音色が楽しめます。
概して、こういう叫ぶところのないアルバムはあまり聴かない私なのですが、このアルバムだけは好きですね〜。
気分を高揚させたい方には『Live』を、落ち着かせたい方や生活にお疲れの方にはこのアルバムをおすすめします。
Reno and Smiley / Good Old Country Ballads (1959) | |
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1. Let's Live for Tonight 2. Cruel Love 3. Maybe You Will Change Your Mind 4. Trail of Sorrow 5. Love Call Waltz 6. Barefoot Nellie 7. No Longer a Sweetheart of Mine 8. I Know You're Married (But I Love You Still) 9. Drifting With the Tide 10. I'm the Biggest Liar in Town 11. All I Have Is Just a Memory 12. Country Boy Rock & Roll |
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Don Reno : banjo | |
Red Smiley : Guitar, Lead Vocal | |
その他は不明 | |
Label/No etc. | |
お買い求め情報 | 札幌の五番街にブルーグラスコーナーがあった頃(大昔)購入したものです。 |
備 考 |
大変長らくお待たせいたしました。
さて、今回ご紹介するアルバム(バンド)はレノ&スマイリーです。
このお二人とても対照的です。
なにが?
顔が。
スマイリーさんは、『名前が先か?顔が先か?』というくらい、常に笑顔です。 歌詞がどんなに寂しく悲しい内容であろうと、顔は常に笑顔です。 本当に人の良さそうな方なので、私の中ではイメージがデル・マッカリーさんとかなりダブっています。 |
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対照的にレノさんは、言ってみれば悪人顔です。 目はきつね目で、鼻は細く高く、輪郭もきつめ。 よく上目使いをしていますが、ちょっと怖いです。 でもよく見てみると実は笑顔だったりするので、怖さも倍増です。 |
… 音楽的考証に入りましょう。
このお二人とても対照的です。
なにが?
声が。
なんといっても私はレッド・スマイリーさんの声が好きでたまりません。ブルーグラスでは珍しく、非常にスウィートで暖かなボーカルです。ビルモンやデル・マッカリーさんのようないわゆる『ハイロンサム』な頭蓋骨を響かせるような唱法ではなく、体全体を響かせるような唱法です。姿勢もとてもいいです。
ドン・レノさんもコーラス(テナー)をとるのですが、こちらはかなりの金属系のボーカルです。少しばかり発声方法を誤っていると思われる声なのですが、レッド・スマイリーの声と重なるとそれほどいやな感じはしません。このコーラスを耳にすると『あ、レノ&スマイリーだ。』と一発でわかってしまうあたりはかえって良い特徴と言えるのかもしれません。
バンドの音としては、やはりドン・レノさんのバンジョーが非常に目立ちます。いわゆるスクラッグス奏法とは違う独特のもので、バンド全体の雰囲気をほかのバンドとは違うものとしています。バンジョーの音についても声と同様に『より金属的』と言えるかもしれません。
しかし、結局のところ、このバンドの良さはそのまとまりの良さと、独特の味付けにあるのだと思います。ドン・レノさんについて、あれやこれや否定的なことを書いてしまいましたが、逆説的に言えば、ドン・レノさんにあくがなければ面白みのないバンドとなっていたような気がするということです。
スマイリーさんの単独アルバムがあるのですが、実際、こちらは面白くないんですよ…。その理由はおそらく前述したようなことだと思うんです。
このアルバムは10年ほど前に買ったのですが、当時は狂ったように毎日聞いていました(笑)。最近はそこまで聞き込むなんてことはしなくなりましたね。このレビューを書いていて、ちょっと昔を思い出してしまいました。そういう意味でも懐かしい、大好きなアルバムです。