札幌ロマンチカシアターほうぼう舎
Introduction

第1回 瓶中闇雲捕物帳
第2回 星影の円舞曲
第3回 ペチカ
第4回 忘れ咲き彼岸花
第5回 薄紅の凡歌
第6回 かかし
第7回 砂時計
第8回 俯しのビアホール
第9回 天守物語
 
星影の円舞曲 −ほしかげのわるつ−

第2回公演
星影の円舞曲
1988年(昭和63年) 7月17(日) 18(月) 21(木) 22(金) 23(土)
 札幌市北区北21条西15丁目 北海道家具運輸新川倉庫
poster  ticket
作・演出 斉藤歩
舞台監督 鈴木昌裕
美術 横山敏宏 望月静華
給食 鍛冶理恵
調光 山本昌美
音効 川村瀬戸
音楽 橋本幸
役者 玉麗華 中井清史 桜太郎 高橋蛇次 橋本卓 OL28号 ミーナ サーヤ 島倉朝雄 斉藤駆
  あっしゅ
注)d公演当初のポスター・ビラ等に記載されたクレジットから転記したものです。その後の加入・交替等を反映していない場合があることを御了承下さい。


第2回公演 星影の円舞曲

私には弟がおりまして、名前は卓(たく)。
2つ違いと年齢が近い上に他人から見ると良く似ていたらしく、さらに学校も小、中、高校、大学と全て同じだったため、 それはそれはお互いよく間違えられたもんです。
通学時などに、私の友人の挨拶代わりの跳び蹴りを弟が代わりに見舞われるといった実質的被害も発生しています。

その卓が大学入学後、何を思ったか北大の演研=青テントに役者として入ってきました。
身内の私が言うのも何ですが、ぶっきらぼうな割に華もあって結構ファンも多かったように思います。

一方、ほうぼう舎は、旗揚げ公演「瓶中闇雲捕物帳」を打ち終え、斎藤歩は次の公演の構想を練っていたところで、ちょうど卓が彼の目に止まりました。
というわけで橋本卓を主演に迎えて打ったのがこの「星影の円舞曲」です。

上に掲載した公演ポスターの写真が卓の顔ですが、この顔に似ていると言われるのはさすがに私も不本意です。

*

ほうぼう舎の最後の公演まで舞台監督を務めた鈴木昌裕はこの芝居から参加しています。
鈴木の技術は学生離れしており、斎藤の演劇の世界が彼のイメージ通りに実現できていたとしたら、それは鈴木の技術力あってのものだと断言できましょう。
参加第一作となるこの芝居でも、せり出し舞台による役者の顔見せ、踊り子・紅千鶴の頭上に降る通り雨、橋本卓が客席の頭上を舞う空中ブランコなど、 そこには石造りの壁とコンクリートの床と天井しかなかったはずなのに、初めからあつらえられていたかのように様々な世界を実現させて行くのです。

なお、斎藤と鈴木はどちらもゴツくて見た目に迫力があり、ある時2人が某店にワイヤー類を購入に訪れた際に「舞台で使う」と店員に告げたところ、 「部隊で使う」と取り違えられ、軍事用の商品を紹介されたという話が残っています。

*

この芝居のために作った曲は計4曲で、既成の曲も含めて音楽の多い芝居でした。

ド頭のシーンは「ホウボウ」というヒーローを呼ぶ子供達の声で役者達が登場するという、斉藤歩的な無茶苦茶な設定。
仕方がないので裏参道の某保育園に頼み込んで出かけて行き、子供達に乗っかられたり引っかかれたりしながら、「ほーぼー!」と叫んでもらって録音するという涙ぐましい作業及び子供達へのお菓子代が発生しています。

進行上なぜ必要なのか分からぬ黒人女性コーラスも3人おり、要所で登場しては熱唱します。
通常黒人コーラスといった場合、「黒いフィーリングに溢れている」ことを意味するところ、単なる南国育ちで色だけ黒いという設定。話を強引に推し進める際などに非常に機能しておりました。
このコーラスガールを演じた鈴木志保・渡辺美奈・西村優亜の3人は、油断していると恋心を抱いてしまうほど可愛い顔立ちなのですが、惜しげもなく謎のメークと演技に徹しており、「役者ってのは恐ろしいもんだ・・・」と、何だかんだ言って芝居の世界に入ってまだ3年のいたいけな私は感心しました。

この後にほうぼう舎で継続的に中心的役者となる中井清史と、不定期に中心的となる高橋蛇次(永利靖利)の2人はこの作品から参加。
また北大演研の雄、島倉朝雄が愛犬"あっしゅ"と共に、特別出演しています。

*

桜太郎はラストで
星を数えて 夜に歩けば 眠れぬ自分に ふと気がついた
時を数えて 夜に踊れば あの角に消える 背中が見えた
夢を数えて 夜に歌えば 虫の音さえ 静まり返った
夏を数えて 夜に思えば 私は独人 風を聴く     >♪夏を数えて
と円舞曲(ワルツ)を唄い、以降、芝居のテーマとなる唄を彼女が歌うのが一つの様式になりました。
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