芝居って、ごく普通の日本語ですけど、一般にはあまり使わないですよね。 普通は「演劇」。
「芝居」は、どちらかというとその関係者が好んで使う言葉です。
この不思議な使い分けの理由については、追って暇な時にでも考察してみましょう。

その「芝居」ですが、これが実に厄介な代物で、音楽ほど身近なものでもないので関わりを持つ機会自体が少ない一方、一度自分の感性を直撃すると、そのまま恐るべき感染力で浸食していきます。
私もとあるきっかけで とある芝居を見て瞬間的に取り憑かれ、劇中の音楽制作に携わるようになって現在に至ります。
(よく問われることですが、橋本は役者として舞台に立っているわけではありません)

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ところで実際の曲作りの模様はと言いますと、ハリウッドの音楽監督なら専属オーケストラの一つでも動かし、感性の赴くままに楽曲を完成とでもなるんでしょうが、当方にはそんなものありゃしません。
かと言って、毎回ギター1本とハーモニカで4畳半フォークの世界を作り上げても(それはそれでディープな世界ではありますが)限界もありましょう。
他方、台本・演出の側から求められる音楽は、渋いジャズ・コンボ風、派手なロックバンド風、チンドン屋風、ママさんコーラス風などなど。実に様々です。
これらに応じてイメージを決めた後は、必要な楽器を1本1本ひたすら弾き重ねていくという、地味な多重録音の世界へと突入します。

音を重ねていく際にギターやベースのように楽器が手元にある場合は単にそれを弾けば良いのですが、ドラムのように手元にない楽器や、あったとしても弾けない楽器などは"サンプリング音源"と呼ばれるものを使用します。要は「極力似せた電子音」。
これがまさに「テクノロジーの進歩」ってやつでして、例えばサックスとかトランペットなどの管楽器系なんかは、かつてはオモチャのような音で全く使用に耐えなかったのですが、 最近では恐ろしいほど改善されており、大変有用です。

勿論、結局はギター1本で仕上げた作品というのも数多くあります。
なんだかんだといって、ギターという楽器は実ににつぶしが効く楽器なのですね。


そんなわけで、ここは自分が関わってきた芝居とその音楽に関するページです。