Theater Archive
 大通公園テント芝居


1994年 ストラヴィンスキー祭文
1995年 花札伝綺
1996年 百億年の空
1997年 闖入者
1998年 サーカス物語(→バレン座)
 
1996年公演 百億年の空

1996年(平成8年) 9月6(金) 7(土) 8(日) 9(月)
 札幌市西区八軒1条西1丁目 ConCarino
1996年(平成8年) 9月14(土)
 札幌市中央区大通西8丁目 大通公園特設テント
 本間盛行(東方的威風)
演出 永利靖
照明 高橋正和
美術 仲嶋貴将
衣装 梅津美由喜
宣伝美術 I・N 三宅剛
制作 田辺朝子
企画・制作 紅千鶴
音楽 橋本幸
役者 笠井真波 梅津美星子 林千賀子 岡田章 望月かづや 田中美好 鈴木志保 佐藤真由美 日賀昇 万葉健 都野健二郎
(クレジットは公演当初のポスター・ビラ等に記載のもので、その後の加入・交替等を反映していない場合があることを御了承下さい)



百億年の空(ひゃくおくねんのそら)

3年目の大通公園テント芝居は、本間盛行の「百億年の空」。
戦争を素材にした芝居で、本間によれば、一度その手の芝居を書きたいという想いがあったようです。
自分の経験の中でも、人が死ぬ芝居は数多くありましたが、戦争モノとなるとさすがにやったことがありません。

演出は永利靖。長い付き合いです。
その後も北海道演劇財団主宰の劇団TPSで、斎藤歩、林千賀子等と一緒に舞台に立ち続けた永利。
芝居をよく知ってて論理的だし、結構器用で楽器なんかも上手かったり、何より顔演技も含めてとにかく面白いので私はファンなのですが、この芝居はその永利の演出作品でもあります。

美術は、かつて「Pプロジェクト」にも在籍した中嶋貴将で、彼の作る 鉄の質感を活かした大小の舞台装置類がこの舞台を支えました。
当事者がこういうことを言うのも何ですが、何しろ戦争モノです。それでなくてもリアリティを出すのが難しいところ、舞台上に転がっているマテリアルは本物を持ってくるでもなければおよそ観るに耐えるものにならなかったと思いますが、彼の作品の質感は重厚でした。

*

ひとつの集団にいても、芝居の役者の顔ぶれというのはかなり大幅に移り変わって行くもので、この芝居で兵士のコンビを組んだ岡田章・梅津美子、 ラッパ卒の鈴木志保・佐藤真由美のコンビ、空の王を演じた田中美好、さらに唄う物売り・コークスを演じた林千賀子という主力スタメン級が、揃ってこの集団における最後の芝居となりました。
うーん、ゴソッといったもんです。自分で書いて驚きました。

一方、万葉健、都野健二郎という体力系役者が新たに加わって新たに集団を支え、次の闖入者における全く新しい布陣との繋ぎ役となっていきます。


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